エルフ・荒川の、いつだって前向きなギャル芸人のめっちゃアガるフォトエッセイ【インタビュー】
公開日:2025/9/27
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年9月号からの転載です。

エルフの荒川が『人間合格 エルフ荒川1stフォトエッセイ』を刊行。ギャルの聖地・渋谷で撮影されたポップな写真や、荒川ならではの前向きになれるエッセイ、そしてメイク紹介などが詰まった“元気になれる一冊”だと評判だ。
――出版オファーを受けた時の心境は?
「最初はもう“イェーイ、本〜!”みたいなラフな感じやったんですけど、自分の過去や、当時の気持ちを書いているうちに、“これってスッピンを見られてるようなもんやん”って恥ずかしい気持ちに。かといって別に内容が重い本でもないし、どんなふうにみなさんに届くのか、正直、不安が膨らんでいきました。結果的には、一度でもエルフ荒川に興味を持ってくれた人に“ありがとう”を伝えたくて書き上げていきました。手紙のような本だと思います」
――文章を書くのは得意ですか?
「いや、まったくです。子供の頃から、何か書くときは“うれしい・楽しい・大好き”の3ワードで済ませちゃう(笑)。普段の会話も“やばい”“ めっちゃ最高”とかなんで、今回かなり苦労しました。言い回しをちょっと変えるだけでだいぶ印象変わるなぁとか、言葉選びの大切さに気づいて、途中から文章の雰囲気が変わってます(笑)。その完璧じゃない感じも私っぽいんじゃないかなと。ただ、書き上げてから他の芸人さんの本と読み比べてみたら、私のエッセイって句読点多すぎでした。ギャルの友達は読みやすかったらしいんですけど、本好きな人は頭おかしなるんちゃうかってかなり心配です(笑)」
――タイトル『人間合格』にはどんな思いが込められていますか。
「私の持ちネタで“太宰治は人間失格って言うけどさ、私はきょう人に優しくできたで。人間合格! 太宰治、元気出して~”っていうギャグがあって、それをタイトルにしました。未熟で不完全でもいいんだ、人間合格!みたいな感じが、私らしいなって思って。ちなみにこのギャグは“逆太宰”って呼ばれてます(笑)。いまは“人間合格!”って言葉を流行らせて、最終的に流行語大賞を獲るのが目標です」
取材・文=澤井 一、写真=河口宗道
あらかわ●1996年生まれ、大阪府出身。養成所で出会ったはると2016年にお笑いコンビ・エルフを結成。コンビで出演した21年の特番『ぐるナイおもしろ荘』で注目され、「女芸人No.1決定戦THE W」では22年から3年連続で決勝に進出。ネタ作成を担っており、芸人としての評価も高い。24年にはネイルオブザイヤーを受賞。ギャルキャラにも磨きがかかる。

自己肯定感の低かった子供時代、夢中になっただんじり祭りや空手の思い出、初カレとエピソードなど、ギャル芸人・エルフ荒川が、自身の半生を赤裸々に告白。どんな苦境もポジティブに乗り越える荒川の生き方は、強く元気に生きるヒントに。撮り下ろしフォトや、お気に入りコスメ、メイク術の紹介ページも充実。芸人仲間との写真がずらりと並ぶ見開きページも圧巻だ。