SNSを駆使して寿司をエンタメ化! 世界中から注目される北九州の寿司職人の異端戦略/異端思考①

ビジネス

更新日:2025/9/8

 前回の本を出版した際、店舗は北九州市の戸畑だけでしたから、今の状況を考えると、かなり隔世の感があります。

 当時は本当にコロナ禍の真っ最中で、海外なんて夢のまた夢という状況だったのですが、それでも戸畑のお店は閉めずに、ひたすらひたむきにお客様と向き合っていました。それからSNSでの発信もやめなかったのも、今の照寿司がある理由の一つです。

 自分が、今のような形で北九州から世界に出ていけたのは、やはりSNSの力が大きかったと思います。
 日本のほとんどの飲食店やそれに関わる人たちが海外に出られない中で、戸畑という地方都市から世界に自分が出て行けたのは、どうしてなのか。いろいろと人とは違うイレギュラーな部分があったからこそとは思いますが、タイミングも後押ししたのではないでしょうか。
 コロナ後というのもありましたし、自分自身がコロナ前から動いていたというのもありました。

 もちろんここに至るまでには、稼業である寿司屋を継いだ三代目として、「このままでいいのか」「もっとやれることがあるのではないのだろうか」という気持ちがありましたし、「もっと有名になりたい」という気持ちもありました。
 それはコロナ前からもそうでしたし、コロナ後はさらに「世界」を意識しながら営業を行ってきました。

 コロナ前も、SNSで照寿司を知り世界中から戸畑にお客様が来てくれていましたが、それがコロナで一旦中断され、需要がコロナ後に一気に爆発した。今はそんな状況です。
 コロナ禍が明けたときに思ったのが、自分は世界にこんなに求められていたのだということです。
 潜在的な需要が一気に爆発したようなイメージです。

 今の日本の飲食店には、円安が加速している影響で、本当に世界中から、とても多くの人が、「クオリティが高い・安い・清潔」などといった理由で、寿司をはじめとする和食やそれ以外の様々な日本の食を楽しみに来日、来店しています。

 一方で、自分のように自ら世界中を飛び回っているような料理人は、日本の料理業界全体を見渡しても、ほぼ存在していません。
 もしいたとしても、海外の誰かに招待されて単発のイベントに参加していたり、海外に一店舗、多くても数店舗程度を持っているような和食店や寿司店の店主で、自分のように大企業を相手にビジネスを展開している人はいないと思います。

 本書ではどうして、照寿司が今のような形になれたのか?
「異端」と言われながらもここまでこられたその理由について、様々な観点から分析していきます。
 そしてぜひ本書でも照寿司の魅力を味わっていただけたらと思います。

「DOZO(ドゥーゾ)!」

2025年8月 照寿司三代目 渡邉貴義

<第2回に続く>

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