18歳の姪と夫がふたりでお風呂。ついにはベッドで…。思わず絶句の不倫関係に、女性陣が一致団結して立ち向かう!【書評】
公開日:2025/9/17

『姪っ子と夫が不倫するのは当たり前ですか?』(サレ妻miku:原作、矢野恵:漫画/KADOKAWA)は、その衝撃的なタイトル通り、夫と姪っ子の許されない関係を妻の目線から描いたサスペンスフルな不倫ドラマである。
在宅でデザイナーとして働くワコは、飲食店の店長を務める夫・タクと平穏な日々を送っていた。そろそろ子どもを持ちたいと考え始めた矢先、海外に暮らす義姉の18歳の娘が家出をしたと知らされ、ワコの家に居候することになる。
義姉から連絡もあり、渋々同居を認めるワコ。しかしこの決断こそが、彼女の穏やかな日常を大きく揺るがすことになる。
姪っ子は態度が大きく、タクとの距離も不自然に近い。家事は一切せずにワガママな上、ワコへのあたりも強い。さらにはワコの大切な貴金属が不自然に失くなるなど、姪っ子への不信感が募る出来事が重なってゆく。
そしてついに、タクと姪っ子がふたりでお風呂に入っていた現場を目撃してしまうのだった。
家出に寛容な義姉、自分勝手な上に頼りないタク、そして何よりも傍若無人な姪っ子に、読者は憤りを覚えるはずだ。
一体どうやってこの状況を変えるのか。ハラハラしながら読み進めると、事態は急展開を迎える。姪っ子の写真を見た義母が、「誰この子」と口にしたのだ。
義母も知らない姪っ子と名乗る女性。彼女は一体誰なのか? ワコは義母・義姉と手を組み、「自称・姪っ子」を追い詰めるべく計画を練り……。
話が進むにつれ明かされる裏切りと悪事の数々は、想像を超える醜悪さ。タクの母である義母の気持ちを思うと、胸が痛くなってしまう。
それと同時に、ワコが自分自身の意思で立ち上がり、義母や義姉と手を取り合いながら、自分の幸せのために歩み出す姿はとても凛々しく、勇気をもらえる。
ただの不倫劇にとどまらず、復讐を決意した女性同士の連帯や、理不尽な不倫関係を打ち破る勇気が描かれる本作。怒りと共感、そして痛快さ。それらを味わいながら、物語の行く末をぜひ見届けてほしい。
文=ネゴト / fumi