2025年7月に話題になった本は? 大人も子供も勉強の夏到来。ダガー賞受賞作が大躍進【なんでもランキング】
公開日:2025/9/15

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年10月号からの転載です。

7月のランキングを見て、夏休みが始まったのだと実感する。総合ランキングには第71回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書が3点入っている。11位の『わたしは食べるのが下手』(中学校の部)と12位の『たった2℃で…地球の気温上昇がもたらす環境災害』(小学校中学年の部)、そして16位の『ライオンのくにのネズミ』(小学校低学年の部)だ。大人が読んでも感動や気づきが得られる本ばかり。これを機会に課題図書を読んでみてはどうだろう。
「くもんの夏休みドリル」シリーズの『小学1年生』と『小学2年生』、『学研の夏休みドリル 小学1年』もランクイン。そういえば子供のころ、「夏休みにちゃんと勉強したかどうかで、その後の人生に差がつくよ」なんて大人から言われた記憶がある。
大人になっても勉強は終わらない。『おとなの学びシリーズ NHK3か月でマスターする アインシュタイン』も総合9位にランクインしている。そのほか韓国発の科学マンガ「つかめ!理科ダマン」シリーズ第10弾『「地球のひみつ」を掘り起こせ!編』や、『大学入試問題集 関正生の英文法ポラリス[1 標準レベル]』も勉強関連書か。
コミックでは『ONE PIECE』と『キングダム』の最新巻がそれぞれ1位と2位に。『宇宙兄弟』(45)は、帯に「次巻、堂々完結。」の文字が。『モーニング』で連載が始まったのは2007年。感慨深い。
文庫では『国宝』が1位2位を独占。映画も大ヒット。2023年本屋大賞の『汝、星のごとく』は4位で登場。英国ダガー賞翻訳部門受賞の『ババヤガの夜』は6位に。
文=永江 朗
読者が選ぶ 今月読んで面白かったおすすめ本
一般
★1位『パズルと天気』

○伊坂さんの過去に発表された短編や、書き下ろしの新作が読める短編集で、改めて読み返してもやっぱり面白いし、満足度の高い一冊でした。(45・男)
○伊坂幸太郎さんの小説はどこにどんな伏線があるのか、メインではないちょっとしか登場しない人物も見過ごすことはできません。(39・女)
★2位『携帯遺産』(鈴木結生/朝日新聞出版)1870円(税込)
★3位『サイレントシンガー』(小川洋子/文藝春秋)1980円(税込)
文庫
★1位『汝、星のごとく』

○何度読んでもいいストーリーだと思えます。(36・男)
○閉塞感のある島で、歪な家庭環境で育ったふたりが、負けずにもがいている様子に胸が苦しくなる。思い通りにならない人生、何が正解かはわからないけれど、自分の意思で選び取っていくしかないのだと痛感しました。(38・女)
★2位『イクサガミ 天』(今村翔吾/講談社文庫)770円 (税込)
★3位『BUTTER』(柚木麻子/新潮文庫)1045円(税込)
コミック
★1位『きのう何食べた?』(24)

○シロさんがいろんなところに大胆になってきて、やや老人味。でも敏腕主夫で敏腕弁護士なんだろう。私にはできない。普通の結婚よりもラブラブしているのが、カップル的に素晴らしい。(51・女)
○相変わらず美味しそうなお料理ばかり。(50・女)
★2位『メダリスト』(13)(つるまいかだ/講談社アフタヌーンKC)792円(税込)
★3位『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season13』(服部昇大/ホーム社)880円(税込)