どうしてこんなに疲れるの? 体調不良で悩むアラサー女性の闘病記『バセドウ病が原因でした。おまけに強迫性障害も!』【書評】

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公開日:2025/9/28

  周りの人と同じ活動量なのに疲れやすい。他の人が当たり前のようにできていることができない。そんな自分を責めてしまうことはないだろうか。そんなとき、自分はダメなんだと決して思わないでほしい。もしかすると自分では気づけない疾患が原因となっている可能性もあるからだ。

 コミックエッセイ『バセドウ病が原因でした。おまけに強迫性障害も!』(たかはし志貴/ぶんか社)で描かれているのは、まさにそんな経験だ。著者であるたかはしさんは30歳手前で受けた定期検診から、バセドウ病であることが発覚した。

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「バセドウ病」は、1000人に約1人の割合で発症する身近な疾患と言われている。主に、動悸や頻脈、発汗などの症状が見られ、治療は長期にわたることが多い。

 たかはしさんは朝に体が重く、仕事を月に2〜3回休んでいたが、体力がないだけだと思い込んでいた。受診して初めて、その疲れやすさがバセドウ病のせいだと知ったのだ。

 さらに仕事のストレスから気持ちが不安定になり、心療内科を受診したことで強迫性障害も発覚。「何度も確認せずにはいられない」「同じ考えが頭から離れない」などのしんどさが病気の症状だったと分かったときは、ホッとしたそうだ。

 もし、似た症状に心当たりがある人は、たかはしさんのように一度受診を検討してみてほしい。悩みを解決する糸口が見つかるかもしれない。

 本作には、病気と共に生きる不安や孤独だけでなく、その中で見つけた希望や支えも丁寧に描かれている。前向きに歩み続ける著者の姿は、同じ症状で悩んでいる人や、他の疾患で悩んでいる人の心を励ましてくれるだろう。

 また、タイトルを見てバセドウ病や強迫性障害とはどんな病気だろうかと疑問が湧いた人にもぜひ手に取ってほしい。

 バセドウ病は1000人に約1人の割合、強迫性障害は50人から100人に1人の割合で存在する疾患のため、身近にも実際に悩んでいる人がいるかもしれない。病気への理解を深めることが、誰かの支えや救いにつながるはずだ。

文=ネゴト / くるみ

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