ムリは良いことも効果もなし! あらゆるダイエット法を試した著者が自分に合う方法の見つけ方を伝授【書評】
公開日:2025/10/7

『ここらで花を咲かせましょ 高野優のダイエット奮闘記』(高野優/竹書房)は、育児漫画家でイラストレーターの高野優氏によるコミックエッセイ。年齢を重ねる中での体形の悩みや健康への意識の変化が、独特のやさしいタッチでユーモラスに描かれている。
子育てが一段落した高野氏は、15年前から毎年1キロずつ増え続ける体重に悩まされていた。ひとまずは「産後太り」という言葉を隠れみのに、だましだましやってきたものの人間ドックではついに「軽肥満」の烙印を押されてしまう。言い訳を手放し、満を持してダイエットを決意した高野氏は、巷に溢れるダイエット法に手当たりしだいに手を伸ばす。
本書では、ウォーキングやスロージョギング、腹八分目を心がける食生活改善、白湯ダイエットなど、高野氏が挑戦したさまざまなダイエット法の内容とその効果が詳細に描かれている。「健康度」「節約度」「ラクチン度」など、項目別の体感も細かく記されているため、日常に手軽に取り入れられるダイエット法を少しずつ試してみたいと考えている人にはきっと参考になるはずだ。
印象深いのは、自分の体質や性格に合っている方法は毎日のルーティンのひとつとして定着させ、合わない方法は躊躇せずすぐにやめるという柔軟な姿勢である。できることは何でも試し、合わなければ無理せず諦める――この繰り返しにより、自分に合った健康法やダイエット法が自然と見えてくる。一般的にダイエットはつらく苦しいものと認識されがちだが、高野氏のやり方はダイエットに対する私たちの苦手意識やマイナスの固定観念を見事に覆してくれるのだ。
何といっても、ダイエットは継続しなければ意味がない。一時的な激しいダイエットで、とりあえずの体重を落として心身を疲弊させるより、高野氏のように持続可能なダイエット法を探っていく方が長い目で見ればメリットは大きい。自分に合っているダイエット法を模索していた人は、あらためてその持つべきマインドから学べる一冊だ。