先輩と上司がラブホから…。浮気ではなく公認セフレだと説明されて大パニック! セフレがいる結婚生活ってアリなの?【書評】

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公開日:2025/10/17

「オープン・リレーションシップ」カップルや夫婦がパートナー以外の人物と恋愛・性的な関係を持つことを、お互いの明確な合意のもとに許容する関係性を表した言葉である。

 浮気とは違うとはいえ、そのような関係を受け入れがたいと考える人も多いはずだ。それと同時に、当事者カップルがなぜその選択に至ったのか、その背景をのぞいてみたくならないだろうか。

花村ちゃん、セフレがいる結婚ってアリですか?』(まさぺこ/KADOKAWA)は、「オープン・リレーションシップ」や「セカンドパートナー」問題に真正面から切り込む真面目系恋愛コメディだ。

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 主人公は、ルール絶対主義を掲げる花村かおり。ある日、職場の部長と先輩がラブホテルから出てくるところを目撃してしまう。ふたりは既婚者だったため、花村は「絶対に許せない!」と息巻いていたが、当事者たちから「夫婦公認セフレ」(オープン・リレーションシップ)だと告白される。

 理解が追い付かない花村だったが、セフレ関係にあるふたりの考え方を知っていくうちに、その価値観に興味がわき始めるのだった。

 本作は「公認セフレ」という設定を軸にしているが、問われているのは“夫婦がお互いとどう向き合うか”という本質的なテーマだ。

 たとえセフレが公認であっても、信頼が揺らげば破綻に至ることもある。そしてそれは、特別な関係に限った話ではない。日々の中で相手に向き合わず、気持ちを置き去りにしてしまえば、それが積み重なって別れの原因になることもあるのだ。

「オープン・リレーションシップ」を選ぶカップルには、夫婦関係を長く続けるために試行錯誤を重ね、たどり着いた背景があるかもしれない。

 本作を読むと、結婚生活に正解はなく、それぞれの夫婦が自分たちなりのルールを模索していることに気づかされる。

 理解できない関係の形もあるかもしれないが、自分の価値観を見直す視点を与えてくれる興味深い作品である。

文=ネゴト / くるみ

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