2025年8月に話題になった本は? 夏の暑さと動物に注意 文学賞選考会の小説といえば【なんでもランキング】
公開日:2025/10/21

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年11月号からの転載です。

毎日のように熱中症警戒アラートが出ていた8月。総合ベストセラーは1位の『大阪・関西万博 持ち歩きガイド』はじめ万博関連書のランクインが続く。
東野圭吾『マスカレード・ライフ』が2位で初登場した。ホテル・コルテシア東京を舞台にしたシリーズの最新作。今作では文学賞の選考会が題材のひとつ。死体遺棄事件の重要参考人が候補作家のひとりなのだ。文学賞選考を題材にした作品を含むユーモア短編集『黒笑小説』を連想するファンも多いだろう。7位に背筋『近畿地方のある場所について』が、20位には知念実希人『スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ』が入り、エンタメ系文芸書も元気だ。
注目は10位の『いのちをまもる図鑑 最強のピンチ脱出マニュアル』。『大ピンチずかん 3』(8位)のシリアス版ともいうべき内容で、身のまわりにある危険と対処法をわかりやすく面白く解説している。子どもや日本語初心者も読めるように総ルビだ。「クマが出た」「イノシシが突進してきた」「サルに威嚇された」などという項目は、この夏、実際に被害が多かっただけに笑って済ませられない。ひとり1冊の必携書か。
コミックは金城宗幸、ノ村優介『ブルーロック』(35)が1位だが、尾田栄一郎『ONE PIECE』(112)が7月4日発売にもかかわらず4位に入っているのに驚く。
文庫は吉田修一『国宝』(上下)が1、2位を独占。映画も大ヒットロングラン。6位の伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』は猪苗代湖で開催される音楽フェスのために書き続けられた連作短編を収録。
文:永江 朗
読者が選ぶ 今月読んで面白かったおすすめ本
一般
★1位『本でした』

○大好きなお二人のコラボ本をまた読めて幸せです。(46・男)
○気軽に読める短編や、読みごたえのある中編、可愛いイラストなど、充実した一冊でした。本好きな人にとって共感できる物語もありますし、活字が苦手な人でも楽しめる作品です。(38・女)
★2位『失われた貌』
★3位『つまり“生きづらい”ってなんなのさ?』
文庫
★1位『銀河ホテルの居候 落葉松の森を歩いて』
○シリーズ3巻で、今回は、ホテルに訪れるお客様だけでなく、働いているスタッフも手紙室でのワークショップを受ける。シリーズを通して、変わらない温かさを感じた。(40・男)
★2位『桜ちらし 花暦 居酒屋ぜんや』
★3位『数学の女王 道警 沢村依理子』
コミック
★1位『壇蜜』(1)

○壇蜜さんの意外に庶民的なエピソードや、真逆の不思議な一面など、これを読まなければ知ることはできません。(45・男)
○何故、壇蜜が、清野とおる氏と結婚したのか、その謎の片鱗がみえました。(47・女)
★2位『税金で買った本』(16)
★3位『魔男のイチ』(4)