2025年9月に話題になった本は? 2026年への準備がスタート 人気作の完結巻がついに1位に【なんでもランキング】
公開日:2025/11/20

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年12月号からの転載です。

永遠に続くかと思われた暑い夏。でもランキングリスト上では確実に秋が来ている。「ゲッターズ飯田の五星三心占い」シリーズの2026年版が登場。8点が総合ランキングのベスト20リストに入った。『会社四季報 業界地図 2026年版』、『2025ー2026EUROPE SOCCER TODAY シーズン開幕号』も。何事もひと足早い出版界では、もう2026年が始まっている。
柴田ケイコの人気絵本、「パンどろぼう」シリーズの第7弾『パンどろぼうとスイーツおうじ』が総合2位で登場した。今回の舞台はスイーツおうこくだぞ。
注目は8位登場の朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』。「推し活」をキーワードに、ファンダム経済とそれに翻弄される人びとを描く。ナラティブの力と熱狂、集団心理、陰謀論、そして暴走。題材となっているのはアイドルビジネスだが、ここでトレースされる人間の心理は、たとえば戦争や革命にも通じるのではないだろうか。
コミックは松本直也『怪獣8号』(16)が1位に。ついに完結巻である。ちなみに第15巻は8位(25年3月)、第14巻は2位(24年11月)だった。ヨシダ。の『ディグイット』(1)が初登場で10位に。バレーボールを題材に息子と父親の葛藤を描く。
文庫は9月も吉田修一『国宝』が1・2位を独占。映画はロングランが続く。「なぜヒットしたのか」「ロケ地は?」といった情報も多く流れ、原作小説の読者はさらに広がる模様。柚木麻子『BUTTER』は8位。文庫版は2020年1月刊だから、これもまた驚異的なロングセラーだ。
文:永江 朗
読者が選ぶ 今月読んで面白かったおすすめ本
一般
★1位『イン・ザ・メガチャーチ』

○朝井先生の新しい魅力を感じることができました。(46・男)
○熱量の高い1万人をいかに物語に没入させるか。近年の選挙でも起きた現象のため恐怖を感じた。視野を拡げるって実際は難しく、拡がったと自分では思っても違う世界に視点が移動しただけで新たな世界で視野狭窄に陥っているだけなのかもしれない。(33・女)
★2位『ザ・エッセイ万博』
★3位『帰れない探偵』
文庫


○ヨシタケシンスケさんの良い弱音に救われる。(57・女)
○文庫として推してもいいのか悩みましたが文庫サイズなので。ゆるいタッチで描かれる、数々のヨワネ。疲れてる時はもちろん、元気な時でもクスッとなる楽しさが詰まっています。(40・女)
★2位『コメンテーター』
★3位『営繕かるかや怪異譚 その参』
コミック
★1位『ひらやすみ』(9)

○現代社会を生きる人々の、それぞれの群像劇が展開されているものの、読後感がほぼ温かくなる人間模様の雰囲気が大好きです。(54・男)
○ずっとこのモラトリアムな感じでいてほしい! アニメもドラマも楽しみです。(38・女)
★2位『怪獣8号』(16)
★3位『ベルセルク』(43)
