会議で突然意見を求められると、うまく説明できない… 説明下手さんにおすすめの言語化トレーニング【書評】

ビジネス

PR 公開日:2025/11/28

頭がいい人は身につけている言語化トレーニング
頭がいい人は身につけている言語化トレーニング(横川裕之/新星出版社)

 会議で突然意見を求められて頭が真っ白。なんとか意見を口にしても、上司から「もっと簡潔に」と言われる――ビジネスシーンにおける言語化に苦手意識を感じている人は少なくないだろう。だが、言語化スキルを高めようにも何から手をつければいいの? 色々なビジネス本を読んでも全然身につかない… と感じている人も多いのではないだろうか。

 そんな悩めるビジネスパーソンにオススメしたいのが『頭がいい人は身につけている言語化トレーニング』(横川裕之/新星出版社)。豊富なQ & Aと実践的なワークを通して、言語化スキルを鍛えることができる1冊だ。

「言語化ができない」というのは思い込み… まずは30点でいいから、とにかく言葉に

 言語化とは、文字通り、「言葉にすること」。「頭の中のモヤモヤを言葉にする」「相手に伝わりやすい言葉にする」「瞬時に思考や意見を言葉にする」といったようにいくつかの段階はあるが、「できない」というのは思い込みで誰も自然に行っていることだと、本書の著者で思考現実化コーチの横川裕之さんは語る。多くの人は気の置けない友人との会話では言葉がスルスルと出てくるし、好きなものの話ならば時間を忘れて熱く語れるのではないだろうか。

 では、どうしてビジネスシーンでは言いたいことを上手く言葉にできないのかといえば、それはそこに「完璧な意見を言わなければならない」というプレッシャーや「これを言ったら、どう思われるだろう」という他者への過剰な配慮があるからだ。そこで、この本では、「言語化ができない」という思い込みをなくし、「まずは30点でいいから、とにかく言葉にしてみる」というマインドセットを身につける。そして、さまざまな思考法を、具体的なトレーニングとともに実践していくのだ。

「5W1H」や「なぜ」「たとえば」、「メリット」「デメリット」…言語化を促す多彩な方法

 言語化スキルを身につけるためにはアウトプットを重ねることが大切だという。まずは頭の中にある情報を文字に書き起こすことが重要だと横川さんは語る。もっとも簡単なトレーニングは、1日5分、「本日の仕事の検証」と「明日の仕事の整理」を書き出すというもの。この特訓でビジネスに関して言葉にすることに慣れよう。

 明確なことを言語化できるようになったら、今度は頭の中でぼんやり思い描いたものの言語化。たとえば、「10年後に自分がなりたいイメージ」を、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の5W1Hで整理する。

 これもできたら、さらには、全く答えが浮かばない問いへの対処法。たとえば、企画に対する意見が思い浮かばない時は、「いいと思う」など仮の意見を定め、「なぜ?」「たとえば?」と問いかけていくフォローアップクエスチョンが効果的。それでも何も浮かばない時は、「メリットは?」「デメリットは?」と考えてみたり、「その前は?」「その後は?」と過去や未来を考えてみたり、「似ている点」「異なる点」などと他と比較してみたり。このように、この本ではあらゆる状況にあわせた言語化の方法を教えてくれる。ひとつの方法で上手くいかなくても、また別の方法を教えてくれるからありがたい。

相手に伝わりやすい言葉にするには? 実践的なワークで鍛える

 頭の中のモヤモヤを言葉にすることに慣れてきたら、今度は相手に伝わりやすい言葉にする方法を学んでいこう。身の回りで起きたビジネスのトラブルや問題をまとめるにはどうしたらいいか。

 上司に「今期取り組みたいことを1on1までに考えて」と言われた時、現在の業務に尽力し、営業先も開拓したいことを明確に伝えるためにはどうするか。お菓子メーカーの開発担当として「低脂肪高タンパクの和スイーツ」を提案する時、どう説明するか――本書には、たくさんのワークがあり、それを起点に言語化の方法を身につけられるのがいい。

「話し言葉は1文を40〜50字程度」など普段意識していなかった視点も学ぶことができ、また数字やオノマトペで伝わりやすさを高める方法について触れられているから、プレゼンなどでもすぐに使えそうだ。

 大切なのは、「完璧な言語化はない」というマインドセットと、日々のトレーニング。言語化スキルを高める方法が明確なので、会議などで「どう思う?」と急に意見を求められても即応できる言語化スキルを無理なく身につけられるだろう。もう「伝わらない」と悩む必要はない。実践型のこの1冊であなたも言語化スキルを鍛えてみませんか。

文=アサトーミナミ

◆新星出版社のライフマガジン『Fun-life!』
https://fun-life-shinsei.com/

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