高橋恭平(なにわ男子)さんが選んだ一冊とは?「読み始めたきっかけを覚えてないくらい、自然と手にしていました」

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公開日:2025/12/20

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年1月号からの転載です。

「中学時代、バスケ部だったんです。当然『SLAM DUNK』は避けては通れない作品(笑)。読み始めたきっかけを覚えてないくらい、自然と手にしていて。アニメも大好きで、主題歌をよくカラオケで歌ってました」

 井上雄彦によるバスケマンガの金字塔。なかでも高橋さんの推しは湘北高校のPG(ポイントガード)・宮城リョータだそう。

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「同じポジションだったというのもあります。昔は僕も身長がそれほど高くなかったので、リョータの気持ちがすごくよくわかりました。でも、彼は持ち前の速さで切り込んでいく。そのプレースタイルにしびれました。それに、お調子者のようでマネージャーの彩子さんを一途に想ったりと、芯が通っているところもある。どこをとっても最高のキャラクターです」

 印象に残っているシーンを訊くと、「ラストは外せないとして……」と語り、少し笑みを浮かべながら長考。

「試合以外の場面も好きなんです。犬猿の仲だったリョータと主人公の桜木花道が恋で悩む者同士、突然仲良くなったり(笑)。挫折して、部を離れてた三井寿がもう一度やり直すところもいい。自分を戒めるように短髪の姿で部に復帰して。彼が再びチームに加わり、最高の5人が完成する流れは何度見ても感動します」

 胸キュン展開をものともせず、“恋をしたくない”女子高生の杏子がイケメンたちからのアプローチをぶっ飛ばしていく『ロマンティック・キラー』。この映画で高橋さんは杏子と距離を縮める同級生・香月司を好演。

「杏子の周りにいる男子たちの中でも香月は王道キャラという印象でした。口数が少なく、クールに見られがち。そこは僕自身と重なる部分も多く、自然体で演じられました」
 
 突如、杏子と同居することになっても香月は常に冷静。しかし、言動の端々に温もりも漂わせている。

「実は友達も多く、優しい男なんですよね。そうした一面を、目線の動きであったり、わずかな表情の変化で見せていくことを大事にしました。また、彼は過去の出来事から、あるトラウマも抱えていて。王子様キャラのようで、実は人間味がある役というのも僕の中では挑戦でした」

 完成した作品を観て、「全編を通して、何も考えずにただただ笑える、最高の映画でした」と感想を。

「上白石萌歌さん演じる杏子が本当に素敵で。彼女のように自分の気持ちに真っすぐに生きてる人を見ると元気をもらえます。そんな杏子が最終的に誰と恋に落ちるのか。ぜひ劇場で結末をご覧ください」

取材・文:倉田モトキ 写真:TOWA
ヘアメイク:suzawa(JOUER) スタイリング:三島和也(Tatanca) 衣装協力:パンツ4万8400円(税込)[DOORTOROC(ドアトロク)/HEMT PR ☎03-6721-0882]、その他スタイリスト私物

たかはし・きょうへい●2000年、大阪府生まれ。21年、なにわ男子のメンバーとしてCDデビュー。23年、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』で映画単独初主演を務める。主な出演作にドラマ『御上先生』『ストロボ・エッジ Season1』、映画『メタモルフォーゼの縁側』『映画 マイホームヒーロー』など。

SLAM DUNK 新装再編版』(全20巻)
(井上雄彦/集英社) 605~715円(税込)

赤髪の不良・桜木花道がバスケと出会い、やがて才能を開花させてチームとともに勝利を目指すバスケマンガの不朽の名作。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手掛け、初めて明かされる宮城リョータの生い立ちとともに、物語のクライマックス「山王工業戦」を描いた映画『THE FIRST SLAM DUNK』も大ヒットを記録。

映画『ロマンティック・キラー
原作:百世 渡『ロマンティック・キラー』(集英社ジャンプC刊) 
監督:英 勉 脚本:山岡潤平 出演:上白石萌歌、高橋恭平、木村柾哉、中島颯太 ほか 配給:東宝 12月12日公開 
●ゲーム、チョコ、猫以外はまるで興味のない恋愛キャンセル界隈の女子高生・杏子。そんな彼女の前に魔法使いのリリが現れ、杏子が恋をしないと魔法界に危機が訪れるという。やがてリリの魔法で、杏子の前にイケメンたちが押し寄せる日々が始まる。
©2025「ロマンティック・キラー」製作委員会 ©百世渡/集英社

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