上から目線のアドバイスがうざい! 彼女にフラれたことをきっかけに主人公の“普通”が変わる漫画『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が誕生した理由とは【著者インタビュー】
公開日:2025/12/8

夏帆×竹内涼真のW主演のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系火曜22時)。竹内涼真が演じる海老原勝男(えびはらかつお)は、イケメン御曹司で“ハイスペック”ながらも、「男なんだから」「女だったら」と男女の役割について固定観念を持つ男。夏帆が演じる料理上手で勝男に尽くしてくれる鮎美と同棲中で、そろそろ結婚、と夜景が見えるフレンチレストランで完璧なプロポーズをしたのだが…。原作は同名漫画『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(谷口菜津子/ぶんか社)。勝男、そして鮎美の成長と料理を通じて、誰もが自分の中で気づかないうちに築き上げてしまう「普通」を壊してくれる作品として注目を集めている。本作に込められた想いから裏話まで、著者である谷口菜津子さんに話を聞いた。
――『じゃあ、あんたが作ってみろよ』はどんなことを描きたくてスタートした漫画なのでしょうか?
谷口菜津子さん(以下、谷口):時代と共に変わる価値観の変化にどう対応していくかを、読者の方と考えたくて描き始めました。
――まさに毎話考えさせられることばかりです。最初に考えたのは作品のどの部分ですか?
谷口:最初に「こうしたいな」と考えたことで言うと、男性とも一緒に、時代と共に変わる価値観の変化の問題を考えたいと思って。それで主人公を男性にしました。
――物語がスタートしてから、当初の構想と変わった部分はありますか?
谷口:描き始めた時は、自分の同世代や少し下の世代の問題を中心に描こうと思っていて、勝男と鮎美は27歳という設定です。しかし描いているうちに、自分より上の世代が勝男や鮎美の年頃の時に何に悩んでいたのか。価値観が変容していった現在、何に戸惑いどう対処しているのかということが気になってきました。元々勝男の両親を描こうと考えてはいたのですが、勝男の子ども時代を描いているうちに、勝男の両親たちの子ども時代のことも考えるようになって。次第に「もっと掘り下げて描きたいな」と思うようになったところですね。
取材・文=原智香
