『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の主人公・勝男の名失言「おかずが茶色すぎるかな?」は、とある芸人のラジオエピソードから誕生!【著者インタビュー】

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公開日:2025/12/12

 夏帆×竹内涼真のW主演のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系火曜22時)。竹内涼真が演じる海老原勝男(えびはらかつお)は、イケメン御曹司で“ハイスペック”ながらも、「男なんだから」「女だったら」と男女の役割について固定観念を持つ男。夏帆が演じる料理上手で勝男に尽くしてくれる鮎美と同棲中で、そろそろ結婚、と夜景が見えるフレンチレストランで完璧なプロポーズをしたのだが…。原作は同名漫画『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(谷口菜津子/ぶんか社)。勝男、そして鮎美の成長と料理を通じて、誰もが自分の中で気づかないうちに築き上げてしまう「普通」を壊してくれる作品として注目を集めている。本作に込められた想いから裏話まで、著者である谷口菜津子さんに話を聞いた。

――物語冒頭、鮎美が作ってくれた料理を前にして「しいて言うなら全体的におかずが茶色すぎるかな?」と勝男のアドバイスが炸裂しますが、イラっとしてしまいました。

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谷口菜津子さん(以下谷口):そのセリフは、ラランドのニシダさんがラジオでお話しされていた「パートナーの方が作った料理に対して『茶色いね』と感想を言った」というエピソードを参考にさせていただきました。

――そこから勝男は変化していくわけですよね。2話では麺つゆが登場します。麺つゆにした理由を教えてください。

谷口:SNSで「麺つゆを使って料理したら、パートナーから手抜きだと言われた」という投稿ってよく見かけますよね。その指摘した側が、一から麺つゆを作ってみたらどうなるのかな?と考えてエピソードを広げていきました。

――1~3話とも料理を作ってみたり、新しい食べ物の組み合わせに出合ったりしたことで固まっていた勝男の価値観がブレイクスルーします。この物語の構成を思いつくのが谷口先生の才能だと感じました。

谷口:私自身、人との会話や関わりによって自分の視野が広がるとすごく感動するんです。それを勝男が料理や同僚の意見を汲むことで新しい価値観に触れていく過程に重ねているのかもしれません。

取材・文=原智香

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