子どもが本好きになる「3つのポイント」とは? 最先端の研究結果から導かれた、「読書の正解」をわかりやすく紹介【書評】

出産・子育て

PR 公開日:2025/12/9

いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方
いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方(堀田秀吾/Gakken)

「子どもに本を読んでほしい」というのはどの時代も共通する親の願い。しかし現代は娯楽が多く、その中で「本を読もう!」と思うのは難しいのかな……と、日々子どもを見ていると感じる。しかし本書は「読書の習慣は才能ではなく、環境で決まる」、つまり現代でも日常の小さな習慣を変えれば、子どもの読書量が大きく飛躍することもあるという。

 そんな、科学的に正しい読書習慣の育み方を最先端の研究結果を参照しながら教えてくれるのが『いまの科学でいちばん正しい 子どもの読書 読み方、ハマらせ方』(堀田秀吾/Gakken)だ。

子どもが本に「ハマる」ための3つのポイント

 第一章では主に、子どもに読書習慣を持ってもらう3つのコツを紹介。

①本がすぐ手に取れる「環境」を作る
②「読書=楽しいこと」という記憶を定着させる
③親が上手く伴走する

 ①はもちろん、読むきっかけを作るため。さらに、興味を引くために「表紙が見えるような置き方も効果的」など具体的な例も挙げられている。

 ②の例としては寝る前の読み聞かせ。やはり親とのコミュニケーションは子どもにとって嬉しいもの。特に対話を重視した読み聞かせをするとさらに効果が期待できるとのことだ。しかし夜忙しくて読み聞かせをしている暇はない……そんな人には誕生日やクリスマスなど特別な日に本をプレゼントするのもオススメ。「読書=楽しい」に繋がる経験になるという。

 ③のサポートについては、私自身思うところあり。現在小学校1年生の次男は本が嫌いではないけど……状態。本大好きな小3長男の読書中に、暇だからと邪魔して喧嘩が度々勃発している。「次男に合う本があれば読むのが好きになりそう。探してあげたいけど時間もないし探す方法もない…」と思っていたのだが、本書の巻末にはなんと未就学児~高校生までの「子ども読書におすすめの本」が紹介されているではないか! 結構巻数のあるシリーズも紹介されているので、ハマれば長く楽しんでくれそうだ。

マンガもラノベも図鑑もOK! 親の“あるある”な悩みに答えてくれる

 同じく第一章では、読書にまつわる親の悩み11問にも回答。私が特に気になったのは「うちの子、マンガしか読みません」。わが子がマンガを読みふけっていると「もっとためになる本を読んだらいいのに……」と自分のマンガ好きを棚に上げて思ってしまう自分がいる。

 だが、著者の堀田氏によると「マンガばかり読んでいないで本を読みなさい!」は“一番NG”とのこと。マンガを読むことは子どもの読書習慣を育む上で有益な第一歩、かつマンガ自体にも読解力や感情理解を促進する効果があるそうだ。その上で、文章中心の本を読むための、親のアシスト方法も紹介。他にも「ラノベばかり読んでいる」「図書館で借りるより買うべき?」など「それ気になってた!」な質問が並ぶ。

研究結果に基づいた「読書の正解」「神メソッド」をわかりやすく紹介

 第二章では『いま一番正しいとわかった「読書の正解」』として“多読vs.繰り返し読み”など読書方法から、“朝vs.夜”と習慣についてまで、効率がいいのはどちらかを紹介。どちらも否定せず、最近の研究結果をかみ砕いて紹介しながら結論を教えてくれる文章はわかりやすく、また好感が持てた。

 最終四章では読書の効果をさらに高める「神メソッド」を9つ紹介。こちらはかなり読書好きの自負がある私でも「やってみたい!」と思うことがたくさん。大人にとっても有益な情報が盛りだくさんなので、ぜひ手に取ってチェックしてみてほしい。

文=原智香

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