累計60万部! 年の差×身分差ラブストーリー『大正學生愛妻家』の生誕秘話とこれから――【粥川すずインタビュー】

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PR 公開日:2025/12/30

 (C)粥川すず/講談社
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 既刊は全て重版がかかり、累計60万部以上。いま熱い注目を集めている年の差×身分差ラブストーリー『大正學生愛妻家』(講談社)の第4巻が1月22日に発売する。本作の舞台は大正10年の東京。女中として名門士族・橘家のお屋敷で働く24歳のふきは、幼い頃にお世話をしていた跡取り息子の勇吾とひょんなことから再会する。帝国第一高校進学のために帰京した彼は、自分はいま嫁探しを命じられていると言い、突然ふきにプロポーズ! ふきは激しく驚きながらもその求婚を受け入れ、思いもよらない新婚生活が始まる――というストーリーだ。

(C)粥川すず/講談社
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 誰もが振り向くイケメンで、妻への配慮も完璧ながら、ときに年下らしい余裕のなさを覗かせる勇吾。そんな勇吾に翻弄されつつも、いざというときは彼を大きな愛情で包み込むふき。「男が家庭を支え、女が家庭を守る」という価値観が現代より格段に色濃かった時代における身分差と年の差がある新婚生活ながら、ふたりの毎日は純粋なときめきと幸せに溢れている。
 第4巻の発売を記念して、著者の粥川すずさんに、本作の誕生秘話、裏話、これからの展開などをうかがった。

――本作を描こうと思われたきっかけは何だったのでしょうか。

粥川すずさん(以下粥川):私はずっと大正時代にものすごく興味があって、デビュー作『エリートは學び足りない』の舞台も大正時代だったんです。その連載が終わって新作を考えるときも、やはり大正時代を描きたくて、編集さんにいろんな案を提出して試行錯誤していました。

――『モーニング』の公式サイトのプロフィールでも、「明治・大正・昭和初期の庶民文化が大好き。近代学生文化・旧制高校に心惹かれる」と書かれていましたよね。そこまで思い入れがあるのはなぜなのでしょうか。

粥川:昔から教科書に載っている白黒写真の人たちにキュンとしているような子どもだったんですが、高校生の時に旧制高校の学生の写真を集めた本を図書館で見つけて。なんてかっこいいんだろう!と感動して、借りては返しを繰り返し、旧制高校の文化を調べては脳内妄想を繰り広げていたんです(笑)。

――高校生の頃にはもう作品の下地が出来ていたということですね。『大正學生愛妻家』も、その写真集から着想を得たのでしょうか。

粥川:いえ、それは違うんです。新作について悩んでいる時に、文豪たちと「ねえや」の関係について書かれた本を読んで「坊ちゃんとねえやってエモいな!」と思うようになって。そこから膨らませてできたのが本作、という感じです。当初はもっと小さい男の子と女中さんの設定だったのですが、やはりイケメンを出したほうがいいだろうと思い直し(笑)、今の形になりました。

(C)粥川すず/講談社
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