夫の不倫と隠し子が理由で別れを決意した妻に対し、夫が離婚を断固拒否。ごねる夫にどう対応する?【離婚カウンセラーインタビュー】

マンガ

公開日:2025/12/30

 夫の様子がどこかおかしい。形容しがたい違和感は、やがて確信に変わる。傷ついた妻が選んだのは、夫への復讐の道だった…。『妻が別れを告げる時』(きなりみや:漫画、古川あさこ:原案/KADOKAWA)は、夫の浮気、不倫、モラハラによって傷つけられた妻たちの復讐劇を描いたオムニバスストーリー。

『妻が別れを告げる時』に収録されているエピソード「単身赴任中の夫の家から赤ちゃんの泣き声がした話」は、夫の単身赴任が理由で別居生活を送る夫婦の物語。ある日、偶然出会った夫の同僚から、夫がベビー用品を買っていたことを知らされる。子どもなんていないのに…なぜ? 不信感を抱いた妻は衝撃の事実を知らされることに。夫が不倫相手との間に子をもうけ、単身赴任先で一緒に暮らしていたのだ。

advertisement

「単身赴任中の夫の家から赤ちゃんの泣き声がした話」の夫婦を例に、離婚カウンセラーでもある「家族のためのADRセンター」代表・小泉道子さんに、夫婦関係や離婚についての話を伺った。

――夫は、不倫はしているが妻とは別れたくないと粘っていました。もし離婚したくないのであれば、彼はどんな対応をすべきだったと思われますか。

小泉道子さん(以下、小泉):不貞をしたけれど、別れたくないという方は一定数いるように思います。一方で、不貞をされた方は「また同じことをされるかも」という不安と闘っています。

 もし不貞をした側が離婚したくないのであれば、今回は過ちを犯したけれど、もう二度としない、ということを説得力を持って語る必要があります。

 例えば、「今度不貞行為をしたら慰謝料〇〇〇万円支払う」という公正証書を作成したり、携帯電話の内容を全部開示するという約束をしたり、といったことです。

 ただ、これらはかなりの無理を伴いますので、結果的に関係が悪くなり、2~3年後に離婚する夫婦も多くいらっしゃいました。

――妻側が離婚に向けて動いていきたいと考えている一方で、夫側が離婚を拒否しているようなご相談があった場合、小泉先生でしたらどんな対応をおすすめしますか。

小泉:例えば、夫の不貞が決定的で、十分な証拠があれば、裁判離婚が可能です。そのため、弁護士に依頼して即裁判という方法をご提案するかもしれません。

 一方で、自分もメリットを得ながら別居生活を続ける、という選択肢もお伝えします。例えば、まだ離婚はせずに別居中の生活費を負担してもらう、などです。

 もしくは、「1年たっても私の気持ちが変わらないときは、すんなり離婚してほしい」といった交換条件を出す方法も考えられます。その方にとっての最善を一緒に考えたいと思います。

取材・文=あまみん

小泉道子(こいずみ みちこ)
「家族のためのADRセンター」代表。家庭裁判所調査官として、夫婦の離婚調停の仕事に15年間従事。その後、民間調停機関「家族のためのADRセンター」を立ち上げる。離婚カウンセラーとして、親の離婚に直面する子どもたちのケアにも力を入れている。

あわせて読みたい