夫と離婚はしない。その場合でも不倫相手へ慰謝料は請求できる? 注意点と一番大切なマインド【離婚カウンセラーインタビュー】

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公開日:2026/1/2

 夫の様子がどこかおかしい。形容しがたい違和感は、やがて確信に変わる。傷ついた妻が選んだのは、夫への復讐の道だった…。『妻が別れを告げる時』(きなりみや:漫画、古川あさこ:原案/KADOKAWA)は、夫の浮気、不倫、モラハラによって傷つけられた妻たちの復讐劇を描いたオムニバスストーリー。

『妻が別れを告げる時』に収録されているエピソード「美人店長と食事デートを楽しむ経営者夫の話」は、仕事が落ち着いたら子どもをもうけようと計画していた共働き夫婦の物語。夫婦仲は良好だが、飲食店経営者の夫は従業員の女性と親密な様子。女性とふたりきりで出かけたことを問い詰めても、仕事だからとあしらわれてしまう。これって浮気の前触れ? 証拠集めに奔走する妻は、ついにふたりの浮気現場を目撃してしまう。

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「美人店長と食事デートを楽しむ経営者夫の話」の夫婦を例に、離婚カウンセラーでもある「家族のためのADRセンター」代表・小泉道子さんに、夫婦関係や離婚についての話を伺った。

――妻から浮気相手の女性へ向けて、「慰謝料は離婚しなくても請求できる」といったセリフが出てきます。あらためて、慰謝料は離婚しなくても請求できる、という点についてご説明いただけないでしょうか。

小泉道子さん(以下、小泉):慰謝料は離婚をしなくても請求することができます。ただ、その状態では夫婦関係が破綻していないので、請求額が減額になる傾向があります。

 そのため、離婚か修復か決まっていないけど、とりあえず先に相手に慰謝料を請求する、というのはあまり得策ではないかもしれません。

 一番大切なのは、夫婦関係です。その方向性が定まった後に相手に慰謝料を請求する…という考え方の方が健全だと思います。

――作中ではたびたび、夫が「浮気相手の方が自分に寄り添ってくれる」と考えている描写が出てきます。夫婦間で「支えてきた」「支えていない」などの水掛け論になってしまった場合、どう話し合っていくといいのでしょうか。

小泉:「支える」というのはとても抽象的なワードです。ですので、具体的に何を求められていて、何ができていなかったか、ということを解像度を上げて話すことが必要です。

 また、過去のことを言い合っても双方の認識のずれが露呈するだけの場合もあります。

 今後の未来の話として「具体的に何をしてほしいのか」「自分はそれに応えられるのか」といった話し合いを進めていくのがいいと思います。

取材・文=あまみん

小泉道子(こいずみ みちこ)
「家族のためのADRセンター」代表。家庭裁判所調査官として、夫婦の離婚調停の仕事に15年間従事。その後、民間調停機関「家族のためのADRセンター」を立ち上げる。離婚カウンセラーとして、親の離婚に直面する子どもたちのケアにも力を入れている。

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