なぜ? 「浮気相手とはもう会わない」と約束していたのに、約束を破った夫。不貞行為をはたらく側の心理を解説【離婚カウンセラーインタビュー】
公開日:2026/1/3

夫の様子がどこかおかしい。形容しがたい違和感は、やがて確信に変わる。傷ついた妻が選んだのは、夫への復讐の道だった…。『妻が別れを告げる時』(きなりみや:漫画、古川あさこ:原案/KADOKAWA)は、夫の浮気、不倫、モラハラによって傷つけられた妻たちの復讐劇を描いたオムニバスストーリー。
『妻が別れを告げる時』に収録されているエピソード「美人店長と食事デートを楽しむ経営者夫の話」は、仕事が落ち着いたら子どもをもうけようと計画していた共働き夫婦の物語。夫婦仲は良好だが、飲食店経営者の夫は従業員の女性と親密な様子。女性とふたりきりで出かけたことを問い詰めても、仕事だからとあしらわれてしまう。これって浮気の前触れ? 証拠集めに奔走する妻は、ついにふたりの浮気現場を目撃してしまう。
「美人店長と食事デートを楽しむ経営者夫の話」の夫婦を例に、離婚カウンセラーでもある「家族のためのADRセンター」代表・小泉道子さんに、夫婦関係や離婚についての話を伺った。
――夫は「浮気相手とはもう会わない」と約束していたにもかかわらず、結局は逢瀬を重ねていました。このように、不貞行為をしていたパートナーが約束を反故にする、誠実な態度をとらない、といったパターンは多いのでしょうか。
小泉道子さん(以下、小泉):とても多いと思います。不貞はさまざまな理由で起こりますが、
1.配偶者を軽視している
2.性的衝動が高い
3.本気で好きになってしまった
などの理由が多いかと思います。
1は認知のゆがみ、2は依存、3は感情に関係することで、このいずれの理由も、自分で「もうやらない」と決めたとて、コントロールが困難です。
また、不貞をはたらいた瞬間は罪悪感がいっぱいでも、そのうちその気持ちが薄れ、「なぜいつまでも加害者扱いされなければならないのか」と逆に不満を持つ方も多いです。
――主人公は良い妻を演じ、夫に「もう一度やり直したい」と言わせる作戦を実行します。このような方法についてどう思われますか。
小泉:物語としては大変おもしろいですが、実際には離婚が困難になるというデメリットがあると思います。さらに、ご自身の気持ちに反する行動を続けることは、精神を蝕みます。時間は有限です。うまくいってもいかなくても、貴重な時間を無駄にしてしまったと感じられるかもしれません。
取材・文=あまみん

小泉道子(こいずみ みちこ)
「家族のためのADRセンター」代表。家庭裁判所調査官として、夫婦の離婚調停の仕事に15年間従事。その後、民間調停機関「家族のためのADRセンター」を立ち上げる。離婚カウンセラーとして、親の離婚に直面する子どもたちのケアにも力を入れている。
