最後まで離婚の意思を曲げなかった妻。「別れよう」と決めた人がとるべき行動とは【離婚カウンセラーインタビュー】
公開日:2026/1/4

夫の様子がどこかおかしい。形容しがたい違和感は、やがて確信に変わる。傷ついた妻が選んだのは、夫への復讐の道だった…。『妻が別れを告げる時』(きなりみや:漫画、古川あさこ:原案/KADOKAWA)は、夫の浮気、不倫、モラハラによって傷つけられた妻たちの復讐劇を描いたオムニバスストーリー。
『妻が別れを告げる時』に収録されているエピソード「美人店長と食事デートを楽しむ経営者夫の話」は、仕事が落ち着いたら子どもをもうけようと計画していた共働き夫婦の物語。夫婦仲は良好だが、飲食店経営者の夫は従業員の女性と親密な様子。女性とふたりきりで出かけたことを問い詰めても、仕事だからとあしらわれてしまう。これって浮気の前触れ? 証拠集めに奔走する妻は、ついにふたりの浮気現場を目撃してしまう。
「美人店長と食事デートを楽しむ経営者夫の話」の夫婦を例に、離婚カウンセラーでもある「家族のためのADRセンター」代表・小泉道子さんに、夫婦関係や離婚についての話を伺った。
――妻の作戦の甲斐もあり、夫は「良き妻」に心惹かれていきます。浮気相手の本性に嫌気が差した夫は、ついに妻との離婚を渋るように。しかし、妻の離婚への思いは揺らぎません。このような場合、どういった経過を経て離婚に至るのでしょうか。
小泉道子さん(以下、小泉):弁護士によって、即裁判所に申し立てを行う場合と、まずは裁判所を使わずに任意の交渉を進める場合があります。
いずれにしても、依頼した弁護士と十分に意思疎通し、自分がどんな形の解決を求めているのか(金銭的に有利に離婚したいのか、金銭は二の次で早く揉め事から解放されたいのか、など)きちんと伝えておくことが大切です。
――こちらのケースでは、妻は最後まで離婚の意思を曲げることはありませんでした。このようなご相談が届いた場合、小泉さんならどんな対応をおすすめするでしょうか。
小泉:離婚の意思が固まっているのであれば、まずはご本人が一番大切にしたいことをお聞きします。お金なのか、早期解決なのか、納得なのか。
その上で、うまくいかなかった結婚生活は失敗や汚点ではなく、次につながる単なるひとつの過去であり、結婚したこと自体や自分自身まで否定しないように言葉をかけていきたいと思います。
そうすることで、前を向いて一歩を踏み出すお手伝いができればと思います。
――本作の主人公たちのように、パートナーの嘘や裏切りによって苦しんでいる方へ向けて、アドバイスをお願いします。
小泉:裏切りが発覚したとき、ショックで頭が真っ白になります。その後、怒りや悲しみなどさまざまな感情が入りまじり、修復か離婚か思い悩むことになります。
中には、「自分にも悪いところがあったかも」と自分を責める方もいます。
こうした時期は無理に答えを出そうとせず、友達や親族、時には専門家に相談しながら、まずは自分の気持ちを整理することを優先していただければと思います。
取材・文=あまみん

小泉道子(こいずみ みちこ)
「家族のためのADRセンター」代表。家庭裁判所調査官として、夫婦の離婚調停の仕事に15年間従事。その後、民間調停機関「家族のためのADRセンター」を立ち上げる。離婚カウンセラーとして、親の離婚に直面する子どもたちのケアにも力を入れている。
