スピッツの楽曲「楓」を映画化! 映画『楓』の製作秘話をSandisk製品の記録と記憶から振り返る【福士蒼汰、行定勲、井手陽子、中川正子インタビュー】

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PR 公開日:2025/12/18

日本の人気ロックバンド・スピッツが1998年にリリースした楽曲「楓」。約30年にわたり愛された名曲を原案にした映画『楓』が、2025年12月19日に公開される。行定勲が監督を務める当作品は、不慮の事故で双子の弟・恵を亡くした涼(福士蒼汰)と、恵の恋人だった亜子(福原遥)の物語。恵のふりをした涼が、恋人を亡くした亜子に惹かれていく——秘密を抱えるふたりのラブストーリーだ。楽曲を基にしたこの映画はどう生まれ、どのような思いのもとで作られていったのだろうか。双子(涼と恵)の2役を演じた福士蒼汰さんと行定勲監督、そして井手陽子プロデューサー、ポスターやスチールの撮影を担当した写真家の中川正子さんに、撮影秘話や映画の見どころを話してもらった。

映画『楓』本予告映像<90秒>【12月19日(金)全国公開】

「楓」という曲のひとつの解釈を純度高く描きたかった

――スピッツの「楓」からインスパイアされた映画『楓』の、主演のオファーを受けたときの率直な気持ちを教えてください。

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福士蒼汰さん(以下、福士):スピッツの「楓」は物心ついた頃から心の中にあった曲でした。そんな楽曲が原案の映画がどういうものになるのか想像がつかない一方で、観る人によって受け取り方が変わるのではないかということが、楽しみでもありましたね。

福士蒼汰
福士蒼汰

――行定監督は『世界の中心で、愛をさけぶ』以来20年ぶりの恋愛映画ですが、映画『楓』の企画はどのようにスタートしたのでしょうか。

行定勲監督(以下、行定):プロデューサーから「スピッツの音楽は好きですか?」と聞かれたんです。「もちろん好きですよ!」と答えたら、「“楓”をモチーフにした映画の企画を進めているのですが、興味ありますか?」と聞かれて、すぐに「あります」と返答しました。

――漫画や小説ではなく、楽曲を原案に映画を作ることに難しさはありましたか?

行定:そうですね。一番、難しかったのは、スピッツというバンドが持つ“スピッツらしさ”を損なわないことでした。特に、デビューから曲を聴いているファンにとって、スピッツは人生と共にある存在ですから、プレッシャーもありました。だからこそ、“スピッツらしさ”とは何かを真剣に考えましたね。

 彼らの曲は一見、美しくて心地よいけれど、歌詞の世界を掘り下げると、思いもよらない場所に連れて行かれる。それが、草野マサムネさんという稀代の音楽家の世界観なんです。ただ、その解釈には正解も間違いもなく、受け手が自由に感じ取ればいい。スピッツという存在はとても懐が深く、彼らの楽曲にはいくつもの解釈が共存しうるからこそ、僕らはそのうちのひとつを純度高く描けばいいんだと。この曲から生まれた物語を観たあとで、エンドロールで再び「楓」が観客の心を包み込む——その瞬間、もう一度、クライマックスが訪れるような映画にしたいと思いましたね。

行定勲監督
行定勲監督

ノーメイクで急遽撮影したニュージーランドの印象的なシーン

――福士さんは行定監督とのタッグは初めてですが、監督の言葉で印象的だったことはありますか?

福士:行定監督は最初の本読みの時に「恋愛映画はヒューマンドラマである」とお話しされていて。僕も同じように、ラブストーリーは人の心を描く作品だと思っているので、その部分で共感できたことが嬉しかったです。演技に関して監督から、涼と恵は作り込み過ぎず、自然に演じ分けてほしいとアドバイスをいただいたことも印象的でした。

――一人二役の役作りは、どう進めていかれましたか?

福士:自分の中にあるふたつのキャラクターを引き出す感覚で役作りをしましたね。涼は、引っ込み思案で少し奥手だから、以前の僕の陰キャな部分を呼び起こしました。恵は、好奇心旺盛。いろいろなことに挑戦する姿勢も今の自分に近くて、自分のキャラクターそのままでしたね。

映画『楓』場面写真。カメラを手にする涼(福士蒼汰)
映画『楓』場面写真。カメラを手にする涼(福士蒼汰)

――本作は日本とニュージーランドで撮影されましたが、ニュージーランドの撮影はいかがでしたか?

行定:現地スタッフが本当にハートフルで、感情のベースが日本に近く、非常に撮影しやすい現場でした。いい国ですね。

福士:ニュージーランドの初日、本来は撮影予定日ではなかったのですが、とても天気が良かったため急遽、ノーメイクのまま福原遥さんと見つめ合うシーンを撮ったんです。すごく綺麗な画になって、あの日じゃなかったら撮れなかったと思います。

映画『楓』メイキング写真。ニュージーランドのテカポ湖を訪れた涼(福士蒼汰)と亜子(福原遥)
映画『楓』メイキング写真。ニュージーランドのテカポ湖を訪れた涼(福士蒼汰)と亜子(福原遥)

――ニュージーランドの星空のシーンも印象的でしたが、どのように撮影したのでしょうか?

行定:星空は実際には人物と同時に撮れないので、別撮りでした。でも、本物の空があまりにすごくて、映像にすると嘘みたいに見えてしまうんです。編集の時に輝度を少し落としたくらい(笑)。日本でも長野などで綺麗な星を見てきましたが、ニュージーランドの夜空は次元が違う。見慣れていない僕らにとっては現実味がないほどの美しさでした。

――行定監督が、福士さんと福原さんの演技で印象的だったことは何ですか?

行定:ふたりとも本当にニュートラルに演じてくれて、僕はほとんど何も演出していないんですよ。福士くんの演技で驚いたのは、「ここまで泣けるんだな」ということ。あれだけ嗚咽するほど泣ける俳優はなかなかいません。自分の分身がいなくなったという喪失感にこらえきれず、感情が溢れていく――それをあそこまで表現できるのは、本当にすごいと思いました。

――作品中にはカメラや写真がたびたび登場しますが、福士さんは、普段から写真は撮られますか?

福士:この作品をきっかけに撮り始めたんですけど、本当に楽しくて。僕は物を撮るより、人の表情を撮るのが好きなんだなと気付きました。涼の役としては、人物ではなく物を撮っていたんですけど、僕がスタッフさんにカメラを向けると、少し照れたり、笑ったりしてくれて。その自然な姿を写真に収めるのがとても楽しくて、表情のライブ感を残せることが写真の魅力だと感じました。役としての練習も含めて、1500~2000枚ぐらいは撮りましたね。

映画『楓』メイキング写真。福士蒼汰
映画『楓』メイキング写真。福士蒼汰

デジタル時代の撮影は人間の「生の瞬間」をとらえられる

――映画の製作では、映像や写真のデータ、文字情報などの記録の扱いも非常に重要だと思いますが、行定監督は普段、どのように記録を残されているのでしょうか?

行定:僕自身は手書きでメモを残すことが多いので、デジタル化にはあまりついていけてないんですよ(笑)。以前は紙で記録をして、撮影が終わったら処分していたのですが、海外で撮影していたとき、あまりに書類が多くて、さすがに紙では追いつかなくなって。そこで、iPadに絵コンテを描くようになりました。でも、容量がいっぱいになったらどうしたらいいのかは、悩みますよね。

――そんな時こそ、SSDが活躍しそうですね。これまでSSDを使われたことはありますか?

行定:もちろん使っていますよ。SSDにデータを入れて渡せるのは、本当に便利ですよね。

――では、ちょっと意地悪な質問ですが(笑)、これまでデータを失ってしまった経験などは?

行定:そんなの、数えきれないぐらいあります。最近もありましたね。データがどこに消えたのか分からない。でもそれは「もう一度ゼロから書き直せ」ってことなんだろう、と前向きに捉えています(笑)。

——なるほど(笑)。データの消失にも心折れない監督ですが、個人的に「どうしても残しておきたいデータ」というのはあるのでしょうか?

行定:プライベートではないですね。作品だって「どうしても残したい」という気持ちはあまりないんです。次の世代が「必要ない」と思えば、それはそれでいい。それが作品の評価ですから。「作品を残したい」というのは、ある意味エゴかもしれません。

 でも今、保存技術がここまで進化して、SSDなどの信頼できるメディアがあることで、誰かが思わぬ形で作品を未来に残してくれる可能性もありますよね。マニアックな人や研究者がふと保存してくれたり。それが時を越えて再び価値を生むこともあると思うんです。そういう意味では、デジタルで記録が残せる時代って、面白いですよね。

作中にも登場した、SANDISK Creator PRO® ポータブルSSD
作中にも登場した、SANDISK Creator PRO® ポータブルSSD

――福士さんは、大切なデータはどう保存していますか?

福士:残っていなんですよ(笑)。人生で一番、振り返って「あぁ、懐かしい!」と思える時期の写真が、ほとんどなくて。

行定:(笑)。僕も、子どもの頃の写真はほとんど残ってないんですよ。でも今は、そういう写真もこのSSDに入れたら、安心ですよね。

福士:(SANDISK Extreme PRO® ポータブルSSDを手に取って)このSSDには、どれくらいのデータが入るんですか?

――2TB入ります。Blu-rayの2時間映画でおよそ100本分(データ量によって異なる)に相当しますね。

福士:えっ、そんなに!?

行定:すごいね。これひとつ持っていれば十分なんだ。

――ちなみにこのシリーズには8TBモデルもあります。

行定:小さいのにそんなに入るなんて、すごい時代ですね。

――防塵・防滴性も、3メートル上から落としても壊れない耐衝撃性もあるので、例えば屋外の撮影でも使いやすいんです。

行定:そこまでは知らなかったな。写真も映像もしっかり守ってくれるんですね。

SANDISK Extreme PRO® ポータブルSSD
SANDISK Extreme PRO® ポータブルSSD

――行定監督は、映画のフィルム時代からデジタル時代までの過渡期を経験されていますが、デジタルのメリットをどう感じていますか?

行定:フィルムの頃は、ロールチェンジの時間が本当に煩わしくて。俳優が一番良いテンションの時に、撮影が止まってしまうんです。でも今はデジタルだから持続的に撮れて、撮影が途切れないのは大きい。途中から「やってみよう」という試行錯誤もしやすいですしね。

 データ保存の観点では、バックアップも含めて全部ラボにつながっているのは、非常に機能的だと思います。フィルム時代はそんなことはできなかったし、ロールを運ぶことも含めて、相当シビアでした。それが原因でNGになってしまったシーンもあります。一方、デジタル撮影は確認体制もしっかりしているので、ピントの甘さも減りましたね。

――そうした変化は、今後の映画作りにどんな影響を与えていくと思われますか?

行定:フィルムの時代には「失敗できない」という緊張感があって、それがいい効果を生んでいる側面もありました。でもデジタル時代の今は、気軽に「試してみよう」と撮り始めることができる。実際、今回の撮影も、テストなしの本番でしたからね。

福士:デジタルは、何度も撮れますからね。それでも、「やっぱり1テイク目が一番いいね」ということもよくありました。

行定:1テイク目って、取り戻せない生の瞬間があるんですよね。だから僕も「とりあえずやってみよう」ということができる。フィルム時代は、人の動きや距離が確定していないとフォーカスがボケたりするから、技術面でもそれが難しかった。その不安がない分、デジタルでは「1テイク目から本番やってみよう」っていうことができるんです。

 フィルム時代は、撮る前に「ちょっと一回、芝居を見せてくれよ」ということがありましたけど、今は、変わってきていますよね。デジタルの良さは、きっちり作り込まれた芝居だけではなく、演者の衝動的な瞬間もリアルにとらえられるというところだと思います。

映画『楓』のメイキング写真。行定勲(写真中央)
映画『楓』のメイキング写真。行定勲(写真中央)

「幸せな嘘」をつく人間の姿を見てほしい

――最後に、映画『楓』の見どころを教えてください。

福士:楽曲「楓」が流れるシーンですね。聴いた瞬間に浄化されるような、魂が静まるような感覚があって、そこがクライマックスだと思います。『楓』という物語の中で描かれる人間らしさや弱さ、また「幸せな嘘」をつく人間の姿も、物語の味わいとして楽しんでもらいたいです。

「楓」という曲はスピッツのファンの間でもとらえ方はさまざまです。僕たちも自分たちなりの解釈を映像として表現しましたが、それは解釈のひとつに過ぎません。観てくださった方が、この映画で感じたままに曲を聴き返すと、また違った景色が見えてくると思いますね。

――行定監督としては、『楓』の見どころはどこですか?

行定:亜子の決意と、それを受け止める涼の関係性ですね。恋愛で誰もが経験するような、正解があるのかわからない感情の揺らぎを描いています。別れを切り出す難しさ、そしてそれを乗り越える愛の形――その遠回りの過程を観ていただくことで、人間らしさが伝わると思います。

 日本人は特に、心の内側の想いを表に出すのが難しいと思うんですが、この映画は、少しずつ心の奥を見せていく物語になっています。観る人それぞれが自分の経験と重ね合わせて「ああ、自分もそうだったな」と思える瞬間があると思いますね。誰もが持っている、「言い出せなかった真実」をどう受け止めるか、その感情と向き合うこともこの映画のテーマのひとつ。恋愛や人生の胸の痛みを、この作品を通じて感じてもらえればと思いますね。

映画『楓』場面写真
映画『楓』場面写真

Sandisk製品紹介

SANDISK Creator PRO® ポータブルSSD


容量:1TB / 2TB / 4TB
コネクタ:USB-C
転送速度:読み出し 2000MB/秒
     書き込み 2000MB/秒
インターフェース:USB 3.2 Gen 2 x2
保証期間:5年間の製品保証
防塵・防滴性能:IP65等級

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SANDISK PRO-CINEMA CFexpress™ Type Bカード


容量:320GB / 640GB
転送速度:読み出し最大 1700MB/秒
     書き込み最大 1500MB/秒
     (1400MB/秒の最低持続書き込み速度)
保証期間:無期限保証

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