スピッツの楽曲「楓」を映画化! 映画『楓』の製作秘話をSandisk製品の記録と記憶から振り返る【福士蒼汰、行定勲、井手陽子、中川正子インタビュー】
PR 公開日:2025/12/18

苦悩するシーンは俳優と一緒に涙した
――今回、映画の撮影現場に帯同するのは初めてとのことでしたが、普段の撮影と、映画の撮影現場でのお仕事の違いはどう感じましたか?
中川正子さん(以下、中川):普段ですと、私が撮るための現場があり、私のほうで「こういう絵を作りたい」というのを主導して進めていたんです。今回はそういう流れではなく、映画の世界をできるだけそのまま写し取れるよう取り組んだことが大きな違いだと思いますね。映画の世界を偏ることなく写し撮ることと、役者さんたちの呼吸や、現場の皆さんが作り上げようとしている作品の「核」をすくい取ることも重視しました。
――撮影前に、映画の世界観などのイメージはお聞きしていましたか?
中川:「楓」という楽曲はもちろん知っていて、繰り返し聴いて撮影現場に帯同しましたが、作品の世界観や空気感は、現場で私なりに感じて写し撮ったつもりです。私が撮影したのは主にふたつで、ひとつはポスターになっている特写。こちらはある程度、絵作りをする必要があったのですが、もうひとつの場面写真は、私が絵を作るものではなく場面を「空気ごと撮る」という仕事だったので、現場の空気が大事だったのかなと思います。幸運にも、主演のおふたりの演技を至近距離で見続けられたので、自分が大枠で描いていたイメージに、現場で感じたものが肉付けされていくような感覚がありました。
――一番印象に残っているシーンはどこですか?
中川:福士蒼汰さん演じる涼が、宮沢氷魚さん演じる梶野という友人に、自分の思いを吐露しながら悩みを打ち明けるシーンがありました。福士さんが作り上げた涼というキャラクターの苦悩がものすごくリアルに出ていて、一緒に涙してしまいました。福原さんが涙を流されるシーンでは、集中が途切れないように望遠レンズで撮っていたのですが、望遠レンズで撮るからこそ表情がくっきり見えて、撮りながらずっと私も泣いていました(笑)。脚本を読んで展開を知っていても、役者さんたちが実際に演じるとこんな立体的になるんだ、こうやって物語になっていくんだな、と実感しましたね。
――ニュージーランドのロケで印象に残っていることは?
中川:日本での撮影は室内も多かったので、スチールを撮るために忍者のように入り込んで撮ることも多かったんですが、ニュージーランドの土地はなんせ広大でした。ニュージーランドクルーの皆さんがすごくリラックスしていらっしゃって、そういうニュージーランドの皆さんのバイブスや広大さが、私もですし、おそらく主演のおふたりにも開放的な風を与えていたと思いますね。

――今回の撮影データは、どのように管理しましたか?
中川:今回は特に大きいプロジェクトですので、バックアップには細心の注意を払い、撮影が終わるたびに2台のSSDにバックアップを取っていました。1台は自分用、もう1台は万が一、私に何かあったときにプロデューサーに渡すため。さらに、CFexpressカードやSDカードにも残しました。実はこれまでずっとハードディスクを持参してバックアップを取っていたのですが、初めて使ったSSDへの信頼度が高まって、SSD派に移行しました。最初は「こんなに小さいもので大丈夫かな?」と感じたものの、データ転送が本当に速くて。あっという間に転送が終わって驚いたのを覚えています。SSDの「速さ」と「軽さ」は、移動が多いロケでは大きなメリットですね。
ふたりの物語を包み込むニュージーランドの雄大な景色にも注目
――今回の撮影で、データの量はどれくらいになりましたか?
中川:ニュージーランドで350GB、日本では500GBほどの写真を撮りました。今回、扱うデータ量が多かったので、リスクの分散のためにも、複数のポータブルSSDを使い分けてこまめにデータを保存していきました。撮影データは、それぞれ日本編とニュージーランド編の撮影が終わってから、ポータブルSSDでプロデューサーにお渡ししました。使ったSANDISK Extreme PRO ポータブルSSDの容量が2TBあったので、すべてまとめてお渡しできましたね。
――CFexpressカードとSDカードは、どういうふうに使い分けたのでしょうか?
中川:日頃から記録にはSandiskのSDカードを使っているのですが、今回、初めてCFexpressカードを使って、その性能と書き込みの速さに驚きました。そのため、連写や、「ここは絶対に外せない」時にはCFexpressカードを中心に使いました。たとえば、キスシーンは映画のカメラでも数テイクしか撮っていないので、私が撮れるチャンスが本当に一瞬しかなかったんです。そういう本当に外せないシーンでは、必ずCFexpressカードに入れ替えて撮影に臨みました。連写が必要なときや撮影チャンスが限られるときは、CFexpressカードを、ある意味お守りのように「頼む!」っていう感じで使っていましたね。

――スチールのデータのやりとりなどには、SSDに加えて、クラウドを使うことはありますか?
中川:受け渡しの時に使うこともありましたが、実物を持っておくほうが安心できる気持ちもあるので、ポータブルSSDにも入れてお渡ししました。保存をポータブルSSDに変えてからは、自分自身のデータの保管体制もコンパクトになりました。それに、SandiskのポータブルSSDは丈夫で、保存部分を守るような堅牢なデザインにも安心感があるので、撮影現場のラフな環境でも躊躇なく扱えるのが嬉しいですね。
――映画のスチール写真が果たす役割はどういうものだと思われますか?
中川:映画の魅力を一瞬で伝えるものであったらいいなと思っています。現場のプロの皆さんの力が結集したものが映画だということを現場で実感したので、映画を観ていただく入り口として、映画の力を私が写真を通じて皆さんにお見せできれば嬉しいですね。
――中川さんにとってのカメラや写真の魅力とは?
中川:写真を撮ることで、より世界を詳細に見ることができる点です。撮ることで初めて見えるものもあって、カメラに助けられているなと思います。私は、写真を通して気付いた世界の見方や心が動いたことを、写真と文章で伝えるエッセー集も出しているんですが、これからもそういう形で表現していきたいですね。
――それでは最後に、カメラマンとして映画『楓』の世界を伝えた中川さんが思う『楓』の魅力は?
中川:映画のプロフェッショナルの皆さんの集大成としての『楓』を、私自身も観るのを楽しみにしていますし、皆さんにもぜひ、観ていただきたいです。主演のおふたりの物語を包み込むニュージーランドの雄大な景色も、楽しんでいただきたいですね。

取材=治部美和、文=川辺美希
Sandisk製品紹介
SANDISK Creator PRO® ポータブルSSD

容量:1TB / 2TB / 4TB
コネクタ:USB-C
転送速度:読み出し 2000MB/秒
書き込み 2000MB/秒
インターフェース:USB 3.2 Gen 2 x2
保証期間:5年間の製品保証
防塵・防滴性能:IP65等級
SANDISK Extreme PRO® ポータブルSSD

容量:1TB / 2TB / 4TB
コネクタ:USB-C
転送速度:読み出し 2000MB/秒
書き込み 2000MB/秒
インターフェース:USB 3.2 Gen 2 x2
保証期間:5年間の製品保証
防塵・防滴性能:IP65等級

