元気なキッチン担当の姉のモデルはエヴァンゲリオンのミサトさん!? 「生」と「喪」それぞれのイメージを込めた主人公姉弟【著者インタビュー】
公開日:2026/1/7

社交的なキッチン担当・木暮千景(こぐれちかげ)と、人見知りな接客担当・照巳(てるみ)。正反対な姉弟が営む喫茶店「こかげ」は、大切な誰かを喪った人が行き着く、ちょっと不思議なお店だった。そこにやってきたのは夫を喪った妻、愛猫を亡くした女性……。彼女たちが抱えた喪失感を、ふたりは「弔いごはん」で晴らしていく。
誰かを喪うことと食事をテーマにした漫画『木暮姉弟のとむらい喫茶』(うおやま/新潮社)。著者であるうおやまさんはどんな思いを抱え、作品を紡いでいったのか? 作品制作の裏話を聞いた。
――喫茶店「こかげ」の店主である千景はどんなキャラクターにしようと描き始めましたか?
うおやまさん(以下、うおやま):「喪失」を抱えて店に訪れる客が再び未来に目を向けられるような明るさを持つ、「生」を感じさせるキャラクターにしたいと思いました。『新世紀エヴァンゲリオン』初期の明るいミサトさんが自分の中の「お姉ちゃん」像として昔からあり、影響を受けているかもしれません。
――千景の弟で喫茶店のウェイターである照巳はどんなキャラクターにしようと描き始めましたか?
うおやま:姉の千景が遺された側の客に寄り添う明るいキャラクターなので、照巳は亡くなった側にも寄り添えるような、暗めの静かなキャラクターにしようと思いました。千景が「生」なら照巳は「喪」というイメージです。千景と違って人を積極的に元気づけるのが苦手なところは自分と似ているかもしれません。
――全3巻の物語を描いていく中で千景・照巳についてうおやま先生から見ても意外だった行動はありますか?
うおやま:照巳はあるトラウマから手料理が食べられなくて、千景の料理も食べたことがありません。ただ、3巻では千景が事件に巻き込まれたことをきっかけに、照巳に変化が訪れます。意外だったというほどではないのですが、最終話での姉弟のやりとりは自分が考えるよりふたりが動くのに任せて描くことができました。
取材・文=原智香
