55年間喧嘩をしたことがないおしどり夫婦? 亭主関白な夫についていく妻。夫に先立たれた妻の表情に浮かぶのは…【著者インタビュー】
公開日:2026/1/11

社交的なキッチン担当・木暮千景(こぐれちかげ)と、人見知りな接客担当・照巳(てるみ)。正反対な姉弟が営む喫茶店「こかげ」は、大切な誰かを喪った人が行き着く、ちょっと不思議なお店だった。そこにやってきたのは夫を喪った妻、愛猫を亡くした女性……。彼女たちが抱えた喪失感を、ふたりは「弔いごはん」で晴らしていく。
誰かを喪うことと食事をテーマにした漫画『木暮姉弟のとむらい喫茶』(うおやま/新潮社)。著者であるうおやまさんはどんな思いを抱え、作品を紡いでいったのか? 作品制作の裏話を聞いた。
――第2話は亭主関白な夫に先立たれた妻の物語です。このお話を思いついた経緯を教えてください。
うおやまさん(以下、うおやま):自分が喫茶店やレストランに行ったとき、注文以外一言もしゃべらない老夫婦をけっこう見かけて。なぜなんだろうと不思議に思ったことがきっかけです。
――読んでいて夫・二郎の亭主関白ぶりにイライラしてしまったのですが(笑)、描くときに参考にしたものやイメージしたものはありますか?
うおやま:実際見かけた老夫婦が割と妻を置いて先に席を立ってしまうことが多くて。そのイメージは反映されていますね。また「昭和の亭主関白な夫はこうだったんだろうな」と想像して描いた部分も大きいです。
――妻・絹子が亡くなった夫のことを苦々しげに語る表情もリアルだなと思いました。こちらも参考にしたもの、イメージしたものはありますか?
うおやま:詳細は避けますが、知人でも特に高齢のご夫婦だと夫に抑圧された妻の話はよく見聞きします。その妻の気持ちを想像して描きました。
取材・文=原智香
