失って残るのは悲しみだけではない。時には後悔、恨みや怒りも…。さまざまな「とむらい」を描いた『木暮姉弟のとむらい喫茶』【著者インタビュー】
公開日:2026/1/15

社交的なキッチン担当・木暮千景(こぐれちかげ)と、人見知りな接客担当・照巳(てるみ)。正反対な姉弟が営む喫茶店「こかげ」は、大切な誰かを喪った人が行き着く、ちょっと不思議なお店だった。そこにやってきたのは夫を喪った妻、愛猫を亡くした女性……。彼女たちが抱えた喪失感を、ふたりは「弔いごはん」で晴らしていく。
誰かを喪うことと食事をテーマにした漫画『木暮姉弟のとむらい喫茶』(うおやま/新潮社)。著者であるうおやまさんはどんな思いを抱え、作品を紡いでいったのか? 作品制作の裏話を聞いた。
――本作は既に完結していますが、読者の方からはどのような声が届いていますか?
うおやまさん(以下、うおやま):この作品は夫婦やペットの話から、障害や犯罪、戦争などさまざまな角度の「とむらい」を描きました。描きたいように描かせていただき挑戦的なテーマもあったにもかかわらず、読者様からは温かい感想ばかりで。「もっと読みたい」と言っていただけて大変ありがたかったです。思った以上に皆様から「とむらい」というテーマを受け止めていただけたとうれしく感じています。
――喪失というと悲しみのイメージが強いですが、悲しみ以外の怒りや恨み、後悔といったさまざまな感情を丁寧に描いていて、姉弟が提供する「弔いごはん」がその感情に対して寄り添っているから多くの読者から支持を受けたんでしょうね。この作品をどんな方に読んでもらいたいですか?
うおやま:第1話を読んで「空気感が合うな」と感じたら、ぜひ続きも読んでいただけたらうれしいです!
――最新作『きみと一緒に通いたい』の見どころも教えてください。
うおやま:こちらは『木暮姉弟のとむらい喫茶』とは打って変わって、男子高校生が友だちのために闘う学園ものです。千景や照巳とはまた全然違ったキャラクターの主人公になっています。今の時代にぜひ読んでいただきたい物語となっていますので、友情ものがお好きな方はぜひご一読くださいませ!
取材・文=原智香
