何気ない毎日が特別で愛おしいものに! 仲良しオモシロ姉弟が届ける笑いと感動に「家族っていいな」が止まらない!【書評】
公開日:2026/1/24

日々の暮らしは、映画でも小説でもない。コントなのだ――。『わが家のネタ帳 コントすぎる姉弟の日常』(nao/KADOKAWA)は、ありふれた日常の断片を見事に「笑い」に変えた日常系のコミックエッセイだ。
本作の主役は、タイトルどおり姉と弟のコンビ。ときどき親よりも大人な発言をして「人生何周目?」と思わせる家族思いのお姉ちゃんと、そのお姉ちゃんが大好きで好奇心旺盛な弟。このコンビの何気ないやりとりが、母親であり、イラストレーターでもある作者の視点でユーモアたっぷりに紡がれている。
本作が特に魅力的なのは、作者によって切り取られたふたりと家族のほっこりする日常が、読み手の記憶にある“家族の体験”とシンクロするところだろう。いつもの食卓、家族みんなで布団に入る寝室、外出先のトイレや遊びに行った公園。どこにでもある舞台での描写に、読者の家族との風景が鮮やかに思い出され、自然と笑みがこぼれる。
そして姉と弟、ふたりの絶妙なキャラクターが日常の中のほんの些細な出来事を一気にドラマに変える。縄跳びがなかなか上手くできないお姉ちゃんは何かを悟ったように踊り出したり、スーパーでも病院でも弟は常にマイペースに行動したりして周囲を驚かせる。お姉ちゃんは自由奔放な弟に対していつでも優しく、弟もまた姉がふてくされていれば慰める。時にはおもちゃを取り合ってケンカをすることもあるけれど、それでいてふたりは深い絆で結ばれている。ふたりの掛け合いにただ笑うだけではなく、ジーンとしてしまうのが本作の真骨頂だ。
家族と過ごす時間は、当たり前のように見えて一瞬一瞬が特別。そして生活の細部には喜びや笑いが詰まっている。そんなことをあらためて思わせてくれる一冊だ。
文=羅塊羅無
