「受診していいんだ」と思ってほしい。医師と保護者のすれ違いを描くコミックエッセイへ込めた思い【小児科医インタビュー】
公開日:2026/1/31

「子どもの具合が悪い」「いつもの風邪とは違う気がする」「病院に連れて行くべきか、それとも家で様子を見るべきか」子育てをしている中で、そう悩んだことがある人も多いだろう。
しかし、もし少しでも「おかしい」と感じたならば迷わず病院に行った方がいい。子どもを一番近くで見守る保護者としての“勘”を信じてほしい。そう実感させられるのが『母の勘を信じて 次男が入院するまでの記録』(みほはは:著、Dr.しば:監修/KADOKAWA)だ。
「息子の様子がいつもと違う気がする…」喘息の治療中の息子の咳に違和感を覚えた母親。病院を受診するも、小児科の医師から「心配しすぎ」と軽くあしらわれてしまう。
だが息子の体調はどんどん悪くなっていき、ついには緊急入院をする事態になり……。
子どもに“もしも”のことがあった時、どうしたら保護者として子どもを守れるのか。『母の勘を信じて 次男が入院するまでの記録』の物語に基づき、本作の監修も務めた小児科医のDr.しばさんに小児科医視点でお話を伺った。
※『母の勘を信じて 次男が入院するまでの記録』のエピソードをもとにインタビューを行っています。病気の進行や症状は個人差がありますので、詳細は医療機関などにご確認ください。
――本作には、しば先生のコラムも充実しています。どのような思いをもってコラムを書きおろされたのでしょうか。
Dr.しばさん(以下、しば):親御さんの不安を少しでも軽くし、子どもを守る力につながればという思いで執筆しました。
本作では、保護者の思いと医師の判断がすれ違う場面が少なくありません。ですが、漫画を読む方が「受診していいんだ」「相談していいんだ」と思えるよう、専門的になりすぎず、安心感を持てるように言葉を選びました。
――現代は、自身の身に起きたことをSNSなどを通じて誰もがタイムラグなく発信できます。そのような風潮を医師としてどう受け止めていらっしゃいますか。
しば:正しい情報が広がる一方、誤情報も拡散されやすく、注意が必要です。
医師としては、体験談と医学情報を混同しないこと、断定的に語らないことを大切にしてほしいと思います。迷ったら必ず医療者の発信や専門機関を確認してください。
――読者の中には、子どもの病気や、病院・医師との関り方に悩んでいる方もいると思います。そんな方々へ向けてメッセージをお願いします。
しば:子どもの病気に不安を感じるのは親御さんとして当然のことです。
子どもの体調に関して、親御さんは完璧な判断を求められているわけではありません。“何か違う”と思ったら、その感覚を信じてください。
小児科医は親御さんと同じ方向を向いています。医師と一緒にお子さんを守っていきましょう。
取材・文=アサトーミナミ

Dr.しば
小児科専門医。小児科医として10年以上の実績を持つ。小さなお子さんのいるご家庭向けのお役立ち情報をSNSで発信中。(https://x.com/Shiba_kids)
