同じ相手と三度目の浮気。裏切りを繰り返すゴミカス旦那へ決死の反撃【書評】

マンガ

公開日:2026/1/29

 浮気や不倫はパートナーへの最大の裏切りであり、子どもがいるにもかかわらず、それを平気で繰り返す人もいる。『3度目の浮気 ゴミカス旦那よ、覚悟しろ』(しんどうなつこ/KADOKAWA)は、不倫という受け入れ難い現実を真正面から描いたサレ妻の記録である。同じ痛みを抱える人にとっての指針となる一冊だ。

 原作は、Instagramとブログで4年間綴られた実録エッセイ『され妻なつこ』。フィクションではなく実際に起きた出来事だからこそ、主人公・なつこの孤独やつらさが生々しく伝わり、読者は自然と感情移入してしまう。

advertisement

 なつこはこれまでに2度、夫によって裏切られてきた。しかも2度とも同じ不倫相手。「今度こそ変わってほしい」という思い、そして幼い娘のためにと、再構築を選んだ。その決断はそう簡単なものではなかった。

 なつこの努力を嘲笑うかのように、再び怪しい行動を見せ始める夫。再構築から1年も経たないうちに、スマホには「おかん」と偽名で登録された“あの女”とのメッセージが――。夫は「反省した」と言いながら、また同じ相手と、同じ裏切りを繰り返していたのだ。ここから、なつこの“静かな反撃”が始まる。夫に気づかれないようにカバンへボイスレコーダーを忍ばせ、冷静に証拠を集めていく。

「火遊び」「魔が差した」。裏切る側はその場の軽い言葉で言い訳するが、浮気をされた側としては人間関係の基盤である“信頼”を粉々に壊されたような状況だ。本作はそこに向き合うなつこの戦いを容赦なく描き出す。なつこの覚悟の先にある“制裁”を、夫はどう受け止めるのか。

 裏切られた痛み、許す苦しさ、そして終わらせる決断。これらすべてが詰まった本作は、ただの不倫漫画ではない。“心が折れそうな誰かに寄り添う灯り”のように、静かに力を与えてくれる一冊だ。

文=ネゴト / すずかん

あわせて読みたい