【クレヨンしんちゃんから学ぶ】「自分のいいところだけ好き」ではいけない? 子どもの自己肯定感を上げるための50のヒント【書評】
PR 公開日:2026/1/25

30年以上もアニメが放送されている人気キャラクター・クレヨンしんちゃん。我が家の子どもたちも大好きです。一見、自由奔放なしんちゃんに周りが振り回されるコメディ作品に思えますが、子どもたちの優しさに心が温かくなったり、親の至らなさに気づかされたり。大人になってから観ると、実は深いメッセージが隠れていることに改めて気づきます。
そんなしんちゃんたちが子どもたちに生きる上で大切なことを教えてくれるのが「先生は教えてくれない!」シリーズ。10冊目となる最新刊のテーマは「自分を好きになる」です(『先生は教えてくれない! クレヨンしんちゃんの自分をもっと好きになる本』《臼井儀人:キャラクター原作、高田ミレイ:まんが/双葉社》)。
本作はクレヨンしんちゃんのマンガを楽しみながら、自分を好きになれる50のヒントを伝えてくれます。
ひとりで、親と、気になるところだけ……年齢や性格に合った読み方が選べる
まず「自分を好きになる」ってどういうことなのか? 本書は「自分にはいいところがある」「自分はやればできると思っている」と自分を信じる気持ちを持っていること、欠点のある自分をまるごと好きと言えることだと説明します。

「自分が好き」でも、「自分だけが好き」「自分のいいところだけが好き」というのでは、本当に自分を好きとはいえないよ。
ここで小3長男は「欠点があってもいいのかぁ」と一言。長男は小さい頃から良くも悪くも自分の世界が確立している“自己肯定感富士山級男子”だったのでその神妙な一言はちょっと意外。もう小学校生活も折り返し、親の知らないところで成長しているんだなと改めて感じました。親が口を出すことを嫌がり始める時期。本からの言葉の方が素直に響きそうなお年頃なので、本書を読むちょうどいいタイミングかもしれません。
一方、小1次男にはこの概念が少し難しかった様子。しかし、とにかくマンガが大好きなのでそのまま読み進めていました。しばらくしてから「なんて書いてあったの?」と尋ねると、12番、「『こんなときどうする?』ヒーロー、ヒロインの勇気を学ぼう」のページを見せ「◯◯だったらウルトラマンかな、みんなのために頑張ってるし。ママは?」と聞いてくれました。

「こんなとき、あのヒーロー(ヒロイン)ならどうする?」と考えよう。きっと勇気がわいてくる。きみだって、自分の人生の主人公なんだ!
どうやら目次を見て気になった番号のものを読んでいた様子。一冊を読破するのが難しい年齢の子でも、この読み方ならふとした時に手に取りやすそうです。「一緒に読もうか」と目次を開いて本人が気になったところを開いて感想を述べあってみると、より理解できた様子でした。
自分と向き合うもよし、子どもへの寄り添い方も学ぶもよし
大人が読んでも自己肯定感を上げるためのヒントを得られる本書。私自身、自己肯定感が低いタイプ、かつ一度落ち込むと引きずってしまうタイプなので「⑱友だちとくらべても意味がない」「㊱心配ごとがあったら自分の『今』に集中しよう」など心に刺さるヒントがいくつもありました。
一方で、親として子どもとどう向き合っていくかという視点でも勉強になることがたくさん。自己肯定感を上げるのは自分自身が行うこと。しかし親としてそのサポートをするため、子どもの心を不用意に傷つけないためにはどんな姿勢でいるべきかがヒントの中に、そしてマンガの細かな描写の中にも書かれていると感じました。

そうした写真(※昔の家族写真)は、きみがお父さんやお母さんに大切にされてきた存在であることを思い出させてくれるんだ。
※括弧内は編集部注
中学受験、親ガチャ、ルッキズムなど近年子どもを取り巻く問題についても触れている本書。お子さんが読むのはもちろん、親が読んで「もし自分の子どもが同様のことで悩んだら、どんな声掛けができるか?」を考えてみるのもお勧めです。
文=原智香
