近所に住む女性に娘が誘拐された。一体なぜ? 誰かの加害者になっているかも…と思わずにいられない“本当にあったゾッとする話”【書評】

マンガ

公開日:2026/2/13

身の毛がよだつゾッとした話』(しばたま/KADOKAWA)は、人気イラストレーター・しばたま氏が描く実話コミック。可愛いイラストに反し、誰かの日常の中で起きた恐怖を濃縮した1冊だ。

 本作に登場する話は、どれも著者のSNSで募った実話がベース。不可解な心霊現象から他人との間で起きたトラブル・犯罪行為まで、さまざまな恐怖体験が語られる。共に暮らす家族の秘密を知ってしまったという日常での出来事から、仲良くなった男性とのキスから始まる恐怖まで、自身の防犯・家族への教育面で知っておきたい内容ばかりである。

advertisement

 恐ろしい出来事に遭遇した体験者の話が多く収録される本作。中には各話で浮き彫りになる人間の負の側面から、「自らも誰かの加害者になり得る」ことを教えられる。

 とくに印象深かったのは「娘の誘拐」という話。引っ越しで別れの挨拶に訪れた近所の女性と出会う主人公。昔一緒に遊ぶ仲だったが、主人公は覚えてすらいなかった。しかし女性と別れたあと、主人公の娘と一緒に散歩へ行った父が1人で帰宅。道すがら出会った女性の嘘を真に受けた父が、彼女に娘を預けてしまったことが発覚する。

 誘拐された娘を探し回る家族の姿にハラハラさせられ、女性の行為には憤りを感じることだろう。とても悪質な出来事だが、女性が行為に及んだのは、主人公の過去の言動が原因だったと知らされる。きっかけこそ些細なものだが、繊細な子どもにとっては深く傷つきかねない出来事だと感じた。誘拐という行為は、決して許されない。しかし、子ども時代の「ちょっとしたイタズラ」のつもりが女性を傷つけ、追い詰めてしまったのだ。娘の安否・女性の顛末も含め、続きはあなたの目で確かめてほしい。

 本作はSNSに投稿されたものに加え、未公開エピソードや著者の恐怖体験をベースにした長編も収録された大ボリュームの1冊。人間の負の側面を心に留めつつ、ゾッとするようなことに巻き込まれないよう、注意したいものだ。

文=ネゴト / mikasa

あわせて読みたい