暴言・暴力ではないのに、相手にダメージを与える「受動的攻撃」。言葉を知ることで、モヤモヤの解消のきっかけに【著者インタビュー】
公開日:2026/2/14

「自分の意見を主張せず、争いごとが嫌いでニコニコしている」そんな“いい人”のアヤ。優しく気遣いのできる彼女は職場の愛されキャラだ。しかし彼女は無言で相手の罪悪感を刺激する「被害者姫」だった――。あらゆる手段を使って自分を被害者側に見せ、周囲の同情を集めて相手を加害者に仕立て上げる。一番かわいそうな立場を死守しようとするアヤに待っている結末は……?
攻撃的な言葉を発さずに、相手を追い詰めていく“受動的攻撃”をテーマに描かれた『被害者姫 彼女は受動的攻撃をしている』(水谷緑/竹書房)。昨年放送されたドラマ「まどか26歳、研修医やってます!」の原作者であり、本書の著者でもある水谷緑さんに、本書を描いたきっかけやアヤが取る受動的攻撃について話を伺った。
――本作は、どんなことを伝えたいと思って描き始めた作品ですか?
水谷緑さん(以下、水谷):私が受動的攻撃という言葉を知った時、「今までにされたモヤモヤしたことには名前がついているんだ」ということと、「攻撃って言っていいんだ」ということが発見だったんです。暴言を吐かれたり、暴力を受けたりしなくてもこちらの罪悪感を刺激することが攻撃になっている。その自分の発見をみんなに知ってもらいたい、という気持ちでした。
――確かに「今、受動的攻撃をされているな」と思えば少し冷静になれたりしますよね。
水谷:そうなんです。受動的攻撃って攻撃に見えないことが多いんですよね。でもこの概念を知っていたら「今、攻撃された」と思えるし、自分が悪いのではないと思える。相手を俯瞰で見ることもできると思います。
逆に自分がしてしまっている時も、自分がしていることは受動的攻撃だと気付けたら反省できるし、受動的攻撃をしてしまっている現状について「今自分は辛いんだ、我慢しているんだ」と冷静に考えることもできますよね。
取材・文=原智香
