松本穂香さんが選んだ1冊は?「考えすぎる自分、生きづらい自分も全部許していけたらいい」
公開日:2022/9/9

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、松本穂香さん。
(取材・文=野本由起 写真=TOWA)
「若林さんとは、私が映画の宣伝などでバラエティ番組に出演する時にお会いするくらい。でも、勝手に似たものを感じて、親近感を抱いていたんです。この本も“読みたい”というより“絶対読まなきゃ”と思って手に取りました」
自らを「ネガティブで自意識過剰」だと話す松本さん。それだけに、この本には強く勇気づけられたそう。
「〈みっともないまま、あがいていくんでいいんだ多分〉〈ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ〉──。挙げるときりがないくらい、共感するワードがたくさんありました。やっぱり人に見られる仕事をしていると、勘違いされることがたくさんあるんですよね。それは避けられないし、私には向いてないってことも痛いほどわかってる。もう考えて考えて、自分の中で消化するしかないんですよね」
とはいえ、今の自分をそう簡単に変えられるものでもない。
「考えすぎる自分、ちょっと生きづらい自分のほうが面白いと思っているのかもしれません。こういう自分と一生付き合っていくんだから、全部許していけたらいいなって。きっと若林さんも、その時々でいろんな悩みを繰り返しているはず。私も、自分をコントロールする方法を覚えていけたらいいなと思います」
そんな松本さんが、このたび全力をぶつけて演じたのが、『リング』の中田秀夫監督によるホラー映画『“それ”がいる森』。得体の知れない“それ”に怯えながらも、子どもたちを守ろうとする教師・北見絵里役を演じている。
「普段はナチュラルな演技を求められることが多いのですが、“それ”に怯える演技はやりすぎなくらいに演じました。監督からは『音響に負けないよう、芝居の大きさを倍にして』と。特に目の見開き具合は、監督から何度も演出を受けました(笑)」
ホラー映画のヒロインと言えば、悲鳴を上げて逃げ惑うイメージが強いが、絵里はそうではない。
「“それ”の恐怖が迫るにつれて、自分が子どもたちのために動くしかないと決意を固め、逆にどんどん強くなっていく。根っこにある強さを意識しながら演じました」
ホラー作品だが、家族の絆についても描かれている。
「何かわからないものに襲われる恐怖はもちろん、相葉雅紀さん演じる父親とその息子との親子の絆も描かれています。幅広い年代の方に楽しんでいただける映画になりました」
ヘアメイク:尾曲いずみ スタイリスト:道端亜未 衣装協力:シャツ7万9200円、スカート6万9300円(sacai/ サカイ)(TEL03-6418-5977)、イヤカフ3万800円(e.m. / イー・エム)(TEL03-6712-6797)
『“それ”がいる森』

監督:中田秀夫 出演:相葉雅紀、松本穂香、上原剣心、江口のりこ ほか 9月30日(金)より全国ロードショー ●田舎で農家を営む田中淳一(相葉雅紀)は、元妻と暮らす小学生の息子・一也としばらく一緒に生活することに。その頃から、近くの森で怪奇現象が続発。町では住民の不審死や失踪事件が相次いでいた。そんな矢先、ふたりは得体の知れない“それ”を目撃。担任教師・絵里(松本穂香)とともに、未知なる恐怖に巻き込まれていく。 (c)2022「“それ”がいる森」製作委員会
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