「わたしたち友達でしょ」というずるい言葉。学校や職場の同調圧力から解き放たれるための考え方と対処法
更新日:2023/12/12

日本は同調圧力が強い国だといわれる。学校でも職場でも、私たちは多かれ少なかれ、同調圧力にさらされてきた。そんな同調圧力に対する批判が目立つようにはなってきたが、いぜん、同調圧力に苦しめられている人は少なくないだろう。
『10代から知っておきたい あなたを丸めこむ「ずるい言葉」』(貴戸理恵/WAVE出版)は、日常的な場面を事例に挙げ、同調圧力を批判的に捉えながら、どのように考え、対処すればよいかを示している。
本書いわく、「多少息苦しくても、同調していれば波風は立たないのだからいいじゃないか」という意見に対し、同調圧力が高まった集団にもたらされる3つの問題点を述べている。
1 似た人ばかりが集まる集団で違うことを言う不安が生じるため、独自の意見を出しにくくなる
2 異質な存在が排除され、時に暴力の標的にされることもある
3 排除の不安から「集団」に同調することでいっそう同調圧力が高まり、ますます排除の不安を強化してしまう
このような同調圧力は、学校でも職場でも、いたるところに存在する。本書は、具体的な24のシーンそれぞれで、漫画を交えて対処の考え方や仕方を紹介している。
例えば、学校の場合、「わたしたち友達でしょ」という親密さを利用しようとする言葉が挙げられている。ここでは、部活で剣道か卓球に入ろうか迷っている自分に対し、友達が「一緒にバレーボール部に入ろう」と強引に誘う。殺し文句は「わたしたち友達でしょ」だ。組織ではなく、1対1であっても立派に同調圧力を伴う言葉なのだが、本書はこの言葉の問題をいくつか掲げている。
まずは、言われた側の考えがないがしろにされている点。そして、
1 わたしとあなたのあいだに親しい関係がある
2 あなたはわたしを受け入れ、わたしに従う
という本来は別の事柄であるものを、いっしょくたにしてしまっている点である。本書は、これを「ずるさ」と言い換えてもいる。
本書が解説するに、これに類する言葉として、
「あなたはわたしの恋人でしょう? だからわたしの望みを叶えて」
「あなたはわたしの子どもでしょう? だからわたしの期待を裏切らないで」
というパートナー間や親子間のセリフも添えている。
では、この同調圧力から逃れたいとして、どのような対処法があるのだろうか。
本書は、「もちろん大事な友達だよ。わたしはわたしで、もう少し考えて決めるね」といった返答を勧めている。親子間に置き換えれば、「お母さんがわたしを愛してくれていることはわかるよ。わたしはわたしが決めた道を行くから、応援して!」といった具合に、自分の領域を侵されそうになったら、相手と自分はちがう人間であることを表明し、くっついた関係から距離を取ることが大切だと述べている。
本書はこの他、
連帯責任を利用する「真面目か!」
親切を装った「仲良くしたいなら守ってね」
人格否定の「ノリ悪!」
集団の秩序を利用する「世の中そういうものでしょ」
裏切りと思わせる「調子に乗ってない?」
排除の恐怖をにおわせる「できないなら次はあなたの番だよ」
「勝ち残ること」を強要する「個性として活かすべき」
などの言葉への対処の考え方や仕方も、わかりやすく紹介している。
人と集まることが増える年末年始に備え、本書に触れておくと自分を守りやすいかもしれない。
文=ルートつつみ
(@root223)