卵を1日2個食べると、身長がグンと伸びる!? 医学的根拠を解説
公開日:2024/5/26
身長は努力で伸ばせるの?
「子どもは勝手に大きくなる」は大間違い。遺伝の影響が大きいとも言われる“身長”ですが、食事と生活習慣を変えればなりたいスタイルを目指せるかもしれません。
“身長外来”のパイオニア、東京神田整形外科クリニック院長の田邊雄氏が1万5000人のデータに基もとづいた効率的に身長を伸ばすメソッドを伝授!
「うちの家系はみんな身長が高くないから…」と諦める前に、参考にしてみてはいかがでしょうか?
今回は『すごい身長の伸ばし方』に掲載された21のメソッドから、選りすぐりのトピックスを抜粋してお届けします。
※本作品は『すごい身長の伸ばし方』(田邊 雄/KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました

(田邊 雄/KADOKAWA)
メソッド5 卵を1日2個とると、身長の伸びがグンとよくなる
高タンパク食の代表といってもいいのが卵です。
卵1個(約50g)には、6.1gのタンパク質が含まれています。
身長を伸ばすために欠かせない栄養素であるタンパク質は、20種類のアミノ酸から作られますが、このうち、人間が体内で合成できないため、食事から摂取しなければならないアミノ酸が9種類あります。
これが必須アミノ酸です。
卵には、この9種類のアミノ酸がすべて含まれています。
ある食材に含まれている必須アミノ酸が必要とされる量を満たしているかどうか、それを示す指標がアミノ酸スコアですが、むろん、卵のアミノ酸スコアは100。
しかも、卵は「完全栄養食」ともいわれるように、タンパク質以外にも、ビタミンやカルシウム、鉄など、私たちの健康を維持するために必要な栄養素を豊富に含みます。

卵は、ぜひ食べてほしい高タンパク食の1つですが、ここで、1日に卵をどれくらいとるといいか検討してみましょう。
卵と身長の伸びに関する論文を紹介します。
ウガンダの小学校で行われた2017年の研究で、卵が子どもたちの成長にどれくらい影響を及ぼすかを調べたものです。
研究に協力したのは、ウガンダの農村部の小学校に通う241名の生徒たち(6〜9歳)。
この小学校では週に5日の学校給食が提供されているとのことですが、給食を食べる際、241名の生徒を、卵0個のグループ、卵1個のグループ、卵2個のグループと、卵を食べる個数によって3つのグループに分け、この給食を6か月 間続けました。
その結果、成長にどのような影響がもたらされたかを調査しました。
すると、卵を食べていなかった生徒よりも、卵を2個食べていた生徒のほうが身長の伸びがいいという結果が出ました。

上のグラフを見てください。
横軸が経過時間、縦軸が初期値から身長が何㎝伸びたかを示しています。
いちばん右の6か月後を見てみると、卵2個を食べていた生徒たちは、半年の間に3㎝以上身長が伸びていました。
一方、卵を食べていなかった生徒は、身長の伸びは3㎝弱に留まっています。
このデータでは、卵を2個食べ続けていると、身長が伸びる傾向にあることが示されています。
卵には、さまざまな料理法があり、バリエーションに富んだ食べ方が可能です。たとえば、ゆで卵にすれば、夜食やおやつとしても摂取しやすく、卵は大変重宝する食材です。
1日2個くらいでしたら、無理なくとることも可能でしょう。
タンパク質をしっかり摂取したいお子さんには、ぜひ卵をうまく活用してほしいと思います。
<第4回に続く>