大豆を摂りすぎると身長が伸びない? 韓国の医科大学の研究結果
公開日:2024/5/27
身長は努力で伸ばせるの?
「子どもは勝手に大きくなる」は大間違い。遺伝の影響が大きいとも言われる“身長”ですが、食事と生活習慣を変えればなりたいスタイルを目指せるかもしれません。
“身長外来”のパイオニア、東京神田整形外科クリニック院長の田邊雄氏が1万5000人のデータに基もとづいた効率的に身長を伸ばすメソッドを伝授!
「うちの家系はみんな身長が高くないから…」と諦める前に、参考にしてみてはいかがでしょうか?
今回は『すごい身長の伸ばし方』に掲載された21のメソッドから、選りすぐりのトピックスを抜粋してお届けします。
※本作品は『すごい身長の伸ばし方』(田邊 雄/KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました

(田邊 雄/KADOKAWA)
メソッド10 身長を伸ばすために控え目にしておきたい栄養成分とは?
食べ物の中には、タンパク質のように身長を伸ばすのに役立つと考えられる食べ物がありますが、その一方、もしも身長が伸びなくなる食べ物があるとしたら、気にされるかたもいらっしゃるでしょう。
ここでは、身長が伸びにくくなる食べ物があるかどうか、考えてみましょう。とくに検討したいのが、大豆のイソフラボンです。
更年期の女性向けに売られている健康食品を見ると、「イソフラボン配合」といった文字が目につきます。
更年期には、女性ホルモンの分泌が少なくなることで、さまざまな体の不調が起こってきます。それが更年期障害ですが、こうした不調を改善するために、補充されるのがイソフラボンです。
イソフラボンは、分泌のへった女性ホルモンの代わりをする、女性ホルモン様物質で、これを補充することで症状の軽減に役立つとされています。
そのイソフラボンを、思春期が始まる前のお子さんがたくさん摂取したら、どうなるか。
たくさん摂取したイソフラボンが体内で女性ホルモンに変換されれば、骨端線が早く閉じる、もしくは思春期が早くきてしまう、そういった原因になるのではないかという懸念があるわけです。
1つ論文を見てみましょう。
韓国の仁済医科大学で行われた研究です。
1章でも触れましたが、思春期早発症は、思春期症状が低年齢のころから発現し、早期に体が完成してしまうため、一時的に身長が伸びたあと、小柄のままで身長が止まってしまう疾患です。
8歳くらいの年齢の、思春期早発症の女子108名と、思春期が早めにきていない91名とを調べて、それぞれの血中のイソフラボン濃度を比較しました。
その結果、思春期早発症の女子の採血結果を見てみると、イソフラボン濃度が高い子の割合が多かったとされています。
つまり、この論文からは、やはりイソフラボンの摂取量は多くないほうがいいというような結論になります。
ただ、もちろん、これはこの1つの論文の結果であって、これですべてが決まるわけではありません。
ほかの研究を探してみると、多くの研究を総合的に分析したシステマティックレビューでは、イソフラボンと身長の間には関連性は見つからなかったという報告もあります。
イソフラボンが身長の伸びを止める効果があるのかどうかについては、明解な答えは出せない、というのが現時点での結論となります。
ただ、地域別のイソフラボンの摂取量の違いを見てください。
・アジア人の摂取量 1日あたり25〜50㎎
・西洋諸国の摂取量 1日あたり3㎎未満
このようにアジアと西洋諸国とを比べると、アジアのほうが圧倒的に大豆を食べていることがはっきりしています。
基本的にはアジア人のほうが大豆の摂取量が多いそうです。
私たちがふだん食べている納豆や豆腐や味噌汁も、みな大豆製品。ほかのアジアの国でも、おそらく似たような状況が考えられるでしょう。
アジア人のほうが西洋諸国の人たちよりも、かなり身長が低いことは明らかですから、ひょっとすると、大豆のイソフラボンは、マイナスの方向の力となって働いているのかな? という仮説が成り立つかもしれません。
ただ、その仮説にも、1つ留保をつけておきましょう。
もしも、イソフラボンに身長の伸びを止める強力な効果があったとしたなら、これだけ大豆製品を食べている日本人の身長は、もっと低くなっていてもおかしくはないからです。
大豆製品は、納豆をはじめとして多くの食品があり、それぞれ健康によいとされています。もちろん、健康維持のために、大豆食品を食べることは否定されるわけもありません。
ただ、イソフラボンの作用が気になるかたは、この項目の検討を踏まえて、摂取を控えめにしておくというのも1つの選択肢となるでしょう。
<第5回に続く>