わんちゃん大好き! 犬の絵本(2024年11月新刊&おすすめ絵本)

文芸・カルチャー

更新日:2024/10/31

まっすぐな瞳、黒くてつやつやな鼻、感情をストレートに表現してくれるしっぽ。ヤンチャだったり、怖がりだったり、勇敢だったり、甘えん坊だったり…。一匹一匹犬種によって、性格も見た目もとっても個性的。犬ってなんてかわいくて、面白いんでしょう!

犬が主人公の絵本もまさに個性爆発、多種多様。

ダックスフンドのジュリーがボールにダルマにスイカなど、いろいろなものを転がす『ジェリーのこーろころん』や、愛犬・シロの気持ちをいろいろ想像して楽しむ『シロのきもち』。関西弁のユーモア絵本かと思いきやラストにハッと気づきの生まれる『さいきょうのボディーガード』『ともだちのいろ』ではクロちゃんと一緒に色の大冒険に出かけましょう。

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犬と一緒に暮らしている人にとっては共感の嵐。犬が身近にいない人にも犬との楽しい生活のイメージが膨らむ、犬の絵本を集めました。

矢野アケミさんが愛犬・ジュリーをモデルに描いたデビュー作『ジュリーのあーなあーな』の続編。『ジェリーの こーろ ころん』でジュリーは何をころがすの?

ジェリーのこーろころん

作・絵:矢野 アケミ

みどころ

矢野アケミさんのデビュー作『ジェリーのあーなあーな』に待望の新作『ジェリーのながーいながーい』『ジェリーのこーろころん』が登場。3冊揃ったら・・・わーこれは面白い!!
 どの位かと言えば、子どもが笑い転げたり絶叫するほど、です。
 ダックスフントのジェリー、いくら胴が長いと言ったって、そんなに長いなんて・・・!?いくら“あな”が好きだからと言ったってそんな穴にまで・・・!?いくら転がすのが好きだからってそんなものまで転がしちゃうなんて!?とにかくすごいことになっています。これでもかこれでもかと「ありえない」ことの繰り返し。それが更に3冊分も積み重なっていくんです。詳しい説明は不要です。子どもと読めばすぐわかる「よくできた」絵本なのです。それぞれ最後のオチも最高にキュート。

漫画家・内田かずひろさんの『シロと歩けば』の一編を、歌人・枡野浩一さんの文章で絵本化。鳴き声から『シロのきもち』を想像してみよう

シロのきもち

作・絵:内田 かずひろ文:枡野 浩一

みどころ

シロは白い犬です。さぶろうの家族と仲良く暮らしています。シロは人の言葉は話せませんが、毎日一生懸命「クーンクーンクーン!」「ワンワン!」と家族に話しかけます。

お母さんとお買い物に出かけたときは、お母さんのカゴを見てワン。学校帰りのさぶろうのランドセルに飛びついてワンワン!なにか伝えようとしているシロですが、「シロ、なあに?シロ、なんていってるの?」となかなかわかってもらえません。でもシロはシロなりに考えて、日々訓練もしているのです。

内田かずひろさんのマンガ『シロと歩けば』(竹書房)のお話のひとつを、歌人の枡野浩一の文章で絵本化した作品です。原作のマンガではシロの気持ちはモノローグで記載されていますが、こちらの絵本では泣き声だけ。読み手がシロの気持ちを想像しながら読んでいくというしかけになっています。

シロの得意げな顔と家族の笑顔という最高のラストシーン。言葉がなくても通じ合えた、あの嬉しい瞬間が味わえます。優しさに溢れたこの作品を、親子で何度でも味わってください。

「なにいろ すき?」って聞かれたら? クロちゃんのやさしさ、愛らしさにぴょんと飛び跳ねたくなる『ともだちのいろ』

ともだちのいろ

作:きくち ちき

みどころ

犬のくろちゃんの友だち、かえるくんがやって来て尋ねます。

「くろちゃん なにいろ すき?」
「みどり!」

くろちゃんが答えると、かえるくんは嬉しくてぴょんとはねます。くろちゃんも嬉しそう。すると、とりさんや、とかげくん、いたちさんもやって来て、何色が好きなのか次々に聞いてきます。そのたびに、みんなが喜び、くろちゃんも一緒に飛び跳ねます。だって、くろちゃんのともだちの色、みんな素敵ですものね。くろちゃんと同じ色をした、やっぱりくろちゃんっていうともだちを見れば、好きな色は「くろ!」。だけどね、何色が一番すき?って聞かれたら困っちゃう。だって……。

気持ちをそのまま、体全体で表すくろちゃんのなんと愛らしいこと! ふわふわのしっぽ、真っ黒なお鼻、飛び跳ねる手足、そしてくるくる変わる表情。きくちちきさんが描く動物たちは、いつも躍動感にあふれ、本当に魅力的。

好きな色がたくさんあるっていいね。ともだちみんなで嬉しくなるって楽しいね。どんな時に読んだって、きっと心を明るくしてくれる1冊です。

『さいきょうのボディーガード』その名はマイケル! 関西弁のセリフが心地よい、盲導犬のユーモアあふれる日常

さいきょうのボディーガード

作・絵:海野 あした

出版社からの内容紹介

おいらはマイケル。
仕事はボディーガード。
おいらの何気ない日常の話やねん。
読んでもらえたら、しっぽふるで?!

出会いの大切さを描いた文字なし絵本『やっと きみを みつけたよ』。すべての愛犬家の心に刺さる一冊

やっと きみを みつけたよ

作:グオ・ジン

出版社からの内容紹介

大切な存在に会いたくなる。静かで優しい、犬と人との絆の物語

公園で出会った子犬と女性。だんだんと距離が近づいていきますが、ある嵐の日にすれちがいが起きて……。犬と人の間に生まれる強い心のつながりが、光と影の巧みな表現と繊細なイラストで美しく描かれています。すべての犬好きと、優しいあなたに贈る、文字のない心温まる絵本です。

保護動物のあずかりボランティアをしている少女とその家族を描く「動物あずかりや」シリーズ第1弾。初めてやってきた黒くて大きな犬「トルーマン」は無事新しい家族が見つかるのでしょうか…『やんちゃ犬 おおさわぎ!』

やんちゃ犬 おおさわぎ!

作:デビ・ミチコ・フローレンス絵:メラニー・デマー訳:くまがい じゅんこ

みどころ

「動物あずかりや」って聞いたことありますか?
「動物あずかりや」というのは、動物保護団体が保護した動物が一生くらせる家が見つかるまで、家族として大切に世話をする動物あずかりボランティアのことです。
8歳のカイタは大人になったら獣医さんになりたいと思っているほど動物好きの女の子。パパから「あずかりおうえん団」を家族で引き受ける話を聞いて大喜びだったのですが、さっそくやってきた黒くて大きな犬「トルーマン」のやんちゃぶりにてんやわんや。でも一緒に過ごすうちにトルーマンがどんどん可愛くなってきて‥‥‥。そんなある日のこと、トルーマンの新しい家族が見つかったという連絡が入ります。トルーマンと一緒にいたい、という思いと、幸せな家族を見つけてほしいという思いのはざまで揺れるカイタは、どんな風に気持ちを整理して、動物たちと向き合っていくのでしょうか。

お話のあちこちに挟まれる挿絵は全てカラーで、犬と過ごす楽しさがたっぷり伝わってきます。巻末には、このお話のモデルとなった「カイタ・タカノ」さんという女の子のことが分かるお楽しみページも!
対象年齢は小学校三年生ぐらいから。動物が好きな子におすすめの「動物あずかりや」シリーズ、さて次はどんな動物がカイタの家にやってくるのでしょうか。

2021年実写映画にもなった名犬・クリフォードとの日常を、飼い主・エミリーが語ってくれる『クリフォード おおきな おおきな あかいいぬ』

クリフォード おおきな おおきな あかいいぬ

作:ノーマン・ブリッドウェル訳:椎名 かおる

みどころ

家よりも大きくて、びっくりするほど赤い犬、クリフォード!
どんなに素敵な犬か、飼い主の女の子、エミリー・エリザベスが話します。

「いぬを かっているこは ほかにも いますよね。
おおきな いぬも、あかい いぬも、かっている こは いるでしょう。
でも、いちばん おおきくて あかいのは わたしの いぬ、クリフォードです」

クリフォードは賢くて、投げた棒を持ってきたり(ときどき間違えるけど)
かくれんぼも、キャンプごっこも(テントになるし!?)、芸もできる。
困ったところもあるけど……。
(動くものを追いかけたり、花を掘り返したり、靴をかんだり)
でも、やっぱりクリフォードは、最高!

アメリカで1963年の初版以来、ロングセラーとなっている絵本。
作者ノーマン・ブリッドウェルのデビュー作であり、実は、飼い主のエミリー・エリザベスは、作者の愛娘の名前!
当時テレビなどで映像化もされたそうですが、2021秋には、実写映画『Clifford the Big Red Dog(原題)』がアメリカで公開予定です。

クリフォードのゆかいな表情が楽しく、エミリー・エリザベスとクリフォードの仲良しぶりが素敵。
ほのぼのしたチャーミングな雰囲気は、読者を和ませてくれます。

このたび、クリフォードが小さな子犬だった頃を描いた『クリフォード ちいさな ちいさな あかい いぬ』も同時翻訳出版。
ぜひあわせて手にとってみてくださいね。

いつかは訪れる愛犬との別れ。松尾たいこさんの実体験から生まれたペットロスを乗り越えるグリーフケア絵本『きっとそこにいるから』

きっとそこにいるから

作:松尾 たいこ

みどころ

ペットと暮らしていると、いつかは訪れてしまう別れ。飼犬や飼猫の平均寿命は年々延びているそうですが、それでも避けることはできません。主人公の少女もまた、愛犬との別れに直面し、悲しみに暮れていました。

少女は思い出の品を片付けます。見ていると悲しくなるから……。
でも、色々な場所に、色々な季節に、一緒に過ごした思い出や面影はあふれていたのです。

著者の松尾たいこさんは元保護犬のうずめちゃんと一緒に暮らしています。うずめちゃんが来る前には、15年間一緒に過ごした愛犬いくらちゃんとの別れを経験されました。きっと松尾さんも、この少女のように最初はいくらちゃんの死を受け入れらなかったのではないでしょうか。

私は、もうすぐ13歳になる猫と暮らしています。人間で言うと68歳です。
だんだんと寝ている時間が多くなっているものの、食欲だけは全く衰えません。元気だなあと安心する反面、ふと別れのときを想像してしまうこともあります。
別れのときはきっと私も悲しみに暮れると思います。本書を読んで「今を大切にして、ずっと忘れないでいたい」と思いました。

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