本当の自分を放出できない者に開かれる道はない/アレン様は大変!!ぉ怒りになられてます。⑪

小説・エッセイ

公開日:2024/12/31

「普通じゃなきゃダメ」なんてことは全然ない

ところ(ジョージ)で、コンプレックスをいじられたり、指摘されたりするのって、マッコ㌧腹が立つわよね。いつもありのままをさらけ出しるヮタクシは、もう無敵よって感じだけど、最初からそうだったわけじゃないの。昔は、コンプレックスがありすぎて、本当に人生辛かった。

ヮタクシ、保育園時代からわかっていたの。自分がちょっと女の子っぽいってことは。男の子の遊びなんて興味ないし、自分のことは「ボク」でも「オレ」でもなく、「ウチ」って呼ぶ。で、周りも気づくわけ。「あいつ、ちょっと変じゃない?」って。

ほんとに、子どもって残酷よね。小学校くらいから頃から「オカマ」なんてあだ名つけられてさ。それがどんだけ傷つくかっていったら、もぉぉぉぉう、言葉じゃ言い表せないくらい!!!!

正直問題、「オカマ」って言葉で「自分って普通じゃないんだ」って思い知らされたのよね。今にして思えば、「普通じゃなきゃダメ」なんてことは全然ないのに、そのときは「普通じゃないとダメなんだ」って思っちゃったの。

もうひとつ、トラウマになったのは「スポーツ」よね。ヮタクシ、運動は小さい頃から大の苦手なの。小学校時代のドッジボールとかは、もう地獄以外の何物でもなかったわ! ボールを投げれば、「オカマ投げ」って暴言を吐かれる。ァリェナィ!!!

チーム分けのときも、どっちのチームからもメンバーとして欲しがられないから、最後まで一人余っちゃって、完全にいらない物扱い。ああもう、涙で前が見えなくなってきて、ちゃんと言葉に出来ているかわからないけど、その経験がトラウマ過ぎて、「スポーツなんて二度とやりたくない!」って思ったわけ。だから、スポーツ大~嫌い!意味ないもん! だってつらい思い出が蘇るんだもん!

でもね、11歳のヮタクシは、「そこで終わらせちゃいけない」って子ども心ながらに思ったのよ。そこで、中学校受験して、「誰も自分のことを知らない環境で、ゼロから自分を作り直そう」って決意したの。オカマって言われないように、わざと自分のことを「オレ」って呼んでみたの。

だけど、結局、根本の自分は変わらない。やっぱり女っぽい自分がどこかにいるわけで、そうするとまた「オカマっぽい」って言われちゃう。テレビなどのメディアで「オカマ」って言葉が聞こえるだけで、自分がダメな人間みたいに感じてしまう。「オカマ」と「スポーツ」、それがヮタクシの人生における二大トラウマだったわ。

いつもイライラして、誰かを叩いて注目を集めようと必死だった

そんな経験があったから、若い頃のヮタクシって、実はずっと男っぽくふるまってきたの。自分のこと「オレ」とか言ってカッコつけてたの。

でもね、初めて会う人たちにも嘘の自分を見せてたから、心から話し合えるような本当の友達なんて全然できやしなかった。自分も嘘と向き合い続けているわけだから、もう、そんなの疲れるに決まってる。

20歳くらいに芸能の仕事を始めた頃も、「女好きのヒモ男」って設定でテレビに出てたのよ。でも、嘘ばっかりだから、売れるわけがないわよね!

さらに、ここからすンごく重要な話をするんだけど、本当の自分が出せないと、人間って怒りがたまって、どんどん歪んでいくものなの。その証拠に、当時のヮタクシは、いつもイライラしてたし、誰かを叩いて注目を集めようと必死だった……。

たとえば、コンビニで偉そうな店員がいたら、「何よあのコンビニの店員、感じ悪っ!」ってTwitter(現X)とかで叩いて、炎上キャラを演じる。情けない話だけど、それでしか目立つことができなかったのよ。オカマである自分を恥ずかしいと思って隠してたし、世間から外れてる自分がみっともないって思ってたから、余計にね。

アレン様

あわせて読みたい

アレン

大物マダムタレント。生きる幻。 2014年、全身の美容整形に1500万円をかけた「日本一の謎の整形男子」としてタレント活動をスタート。 日々、嫌な事にはNoを突き付けブチ切れまくり、クリーマン(ファンの総称)達の生きる道標としてもォットリとご労働中。 この大地獄の世の中で、楽に生きる術を発信し続けている。本人曰く、ゆくゆくは当連載を書籍化したいと目論んでいる。