【井田千秋氏インタビュー】漫画執筆で自問自答の嵐!? 注目作家の初のエッセイ漫画『ごはんが楽しみ』のこだわりとは?

マンガ

更新日:2024/12/24

純粋に食べることが好き。食器の力に助けられることも

――エピソードを拝見していると、井田さんは料理が億劫に感じられるタイプではなさそうですね。いつから料理には親しんできたんでしょうか?

井田:大学進学から親元を離れて自炊を始めました。食べたいものを自分で作れる、そのままかもしれませんが、それが料理の良いところな気がします。億劫に感じて便利なものに頼ることも頻繁にあります。それでも料理自体が嫌いにならないでいるのは、適当にやっているゆるさが良いのかもしれません。あと、できるだけおいしいものが食べたい。料理というか、純粋に食べることが好きなんでしょうね。本作でも描きましたが、食器集めが楽しくなってからは「このお皿を使いたいから今夜はこれ」といった発想になることも。食関連の好きなもののパワーも大きいかもしれません。料理は盛り付けでネギやパセリ、薬味を添えた時の「できあがり」の瞬間が好きです。絵の仕上げにツヤを入れるみたいな感覚に似ています。

ごはんが楽しみ

――「朝のパン」に登場するパン、どれも一手間を加えられていて、食欲がそそられました。準備に時間がかかるのではないですか?

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井田:15~30分くらいです。オムレツを作るような火を使うものや野菜をたくさん切るような日は多少時間がかかりますが、基本的にはのせて焼いて終わりです。一番よく食べるのはチーズとハムをのせたものなので、本に描いたようなものばかり食べているわけでもありません。ポテトサラダなどお惣菜系は前日の余りがあれば作っていますね。スーパーのお惣菜なこともあります。朝に考えながら作ると私は時間がかかるので、前日に決めておきます。

ごはんが楽しみ

――「おやつ缶」のエピソードも印象的でした。お母様から送ってもらった六花亭の缶を使われているのですよね。こちらは、いつから使われているのでしょうか?

井田:3年ほど前だと思います。コロナ禍におやつを送り合っていた時期があったような気がしていて、その時にもらった缶ですね。それ以前は、おやつは台所の棚やダイニングテーブルの隅に無造作に置いていました。今も缶に収まりきらないと台所のどこかに置くことになりますが、とりあえずここに置く、と置き場所が決まっているとなんとなく落ち着きますね。

――『家が好きな人』や食器好きのエピソードもあって、井田さんは愛着のあるものが多く、物が多くとも整った生活をされているイメージがあります。実際のところはいかがでしょうか?

井田:こだわりのあるものだけを身の回りに……とても素敵なイメージを持っていただけて恐縮ですがそんなこともないですよ。ぼろぼろになっても使っている引き出しとか特に好きではないゴミ箱とかもあります。できれば好きなものを使いたい気持ちはもちろんあるし、家に好きなものもたくさんありますが、絶対そうでなくては!というほど強いこだわりもないような。語弊があるかもしれませんが、野暮ったい雰囲気も好きです。好きなものもそうでもないものもあってよくて、憧れは持ちつつも、困ってなければいいかな~くらいのゆるさでいきたいです。あとずっと家は散らかっています。整理整頓は一生できる気がしないです。

――現在「ごはん」にまつわるもので欲しいものは何ですか?

井田:蒸篭(せいろ)です。焼売とか蒸しパンとか、おいしく食べたいです。台所が厨房っぽくてかっこ良くなりそうなので、まずは置いて眺めたいです。ずっと欲しいとは思っていたんですが、急ぐ買い物でもないので買わずじまいに……無印良品で出たそうなので今度見に行ってみるつもりです。あとグラタン皿ですね。今はオーブントースターがなくて、できればグリルで焼きたくて。直火OKで素敵な器と出合いがあると良いなと思っています。

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

井田:いつもあたたかい応援をありがとうございます! 新刊のお好きなページや皆さんの好きなごはん、お店、食器などをご感想とあわせて教えてもらえるのも嬉しくて、本を通して皆さんとおしゃべりしているようで楽しいです。またぜひ教えてください。おいしいものを食べてあたたかくしてお過ごしください!

取材・文=西連寺くらら

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