もしかしてマナー違反!? 多くの人が間違っている靴の脱ぎ方【訪問先・和室でのマナー】/お正月のしきたり・マナー
公開日:2024/12/28

昨今は「自宅に和室がない」という人もいて、和室での座布団やふすまの扱い方がわからずオタオタしてしまう…ということもあるのではないでしょうか。お正月は、誰かのお宅に招かれたり、外食で和室に上がる機会が増えたりする時期。マナーを知っておけば、いざという時に恥ずかしい思いをすることがありません。「大人の品格マナー」の講師である末永貴美子さんに【訪問先・和室でのマナー】を聞きました。
和室に上がる時の服装は?
和室に上がると決まっている時は、正座しにくいようなタイトなスカートやパンツを避けたほうがいいですね。座った時に上に引っぱられてしまうような短いスカートも、見た目がいいとはいえません。フンワリしたスカートやパンツでしたら楽に座れますし、服装の崩れを気にせず、落ち着いた気持ちで過ごせるのではないでしょうか。
正しい靴の脱ぎ方は?
玄関先での靴の脱ぎ方は、食事などよりも“育ち”が見えてしまうから要注意。周りの人の脱ぎ方をチラチラと見ることもできず、マナーを知らないと焦ってしまいますよね。
まず、靴は玄関に入った向きのまま脱いでしまい、足を床につけず、そのままスリッパに入れてしまいます。その後に体を回転させ、しゃがんでから、靴の向きを外側に向けて揃えましょう。脱ぎながら靴の向きを揃える人がいますが、相手にお尻を向けるのはよくありません。「相手のほうを向いたまま靴を脱いでスリッパを履く」「体を回転させる」「しゃがむ」「靴の向きを揃える」という動作を1つ1つ区切って行うと、美しい所作となります。
正しいふすまの開け方は?
ふすまは基本的に、相手の方が開け閉めされると思いますが、もし自分で開け閉めすることがあれば、しゃがんでするようにしましょう。立ったままバッと勢いよく開けるのは失礼にあたります。しゃがんで、膝をついた状態で開け閉めをするのが正しいマナーです。
畳のヘリは踏まないほうがいいって本当?
畳のヘリ(畳同士が接合されている模様のある部分)を踏まないほうがいいのは本当です。外で歩く時のように大股で歩いてしまうと、歩幅が合わずにヘリを踏みやすいので、和室で歩く時は歩幅を狭めに。すり足ですこしずつ進むようにすれば、ヘリを避けて歩きやすいはずです。同じく、ふすまや障子の敷居(レール部分)も踏まないように気をつけましょう。
いきなり座ってもいい? 手土産を渡すタイミングは?
上司のお宅などを訪れた時に「どうぞ」と言われ、いきなり座布団に座ってしまうと、偉そうに見えてしまいます。勧められてもいきなり座らず、座る前に挨拶をするのが正式な作法です。座布団の横に座った状態で「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます」「今日はよろしくお願いします」などとご挨拶をした後に手土産を渡し、「座ってください」と言われてから座布団に座りましょう。座布団ではなく、椅子やソファーを勧められた場合は、座る前に、立った状態で手土産を渡すのがいいですね。
また、手土産は紙袋から取り出してから、相手のほうに向けて渡すことをお忘れなく。紙袋は“チリよけ”のためのものですから、手土産を出した後は自分で持ち帰ります。
ずれている座布団を直してもいい?
座布団は、招待していただいた方のおもてなしのひとつです。意外と知られていませんが、座布団は踏まない、無駄に動かさない、裏返さない。自分の座る位置からずれていたとしても、動かさないのがマナーです。ドカンと勢いよく座ったり、踏んだりする人もいますが、作法としてはNG。雑にせず、大切に扱いましょう。
正座の足を崩したくなったら…?
新年のご挨拶では基本的に長居しませんが、座布団の上に座ったら、「どうぞ崩してください」などと言われるまで崩さないのがマナーです。
スマートな切り上げ方は?
お正月のご挨拶は基本的に玄関先で行いますが、家に上がらせていただいた場合の滞在時間は、お茶を飲ませていただく程度だと考えておきましょう。相手との関係によりますが、目安は30分から1時間ほど。食事の時間帯を避けて伺い、できるだけ早く切り上げるのがいいですね。「またゆっくり」という言葉があれば、相手に嫌な気持ちをさせることもないでしょう。
退室する時も、部屋に入った時と同じように、座布団から一旦降りて座ったままご挨拶をするのが正式なマナーです。それを取り入れるだけでも、印象は大きく変わります。
意外と知らない和室のマナー。お正月に顔を合わせるような大切な人の前では尚更、恥ずかしくないように振る舞いたいものですね。礼儀正しい人だと印象づけられるように、しっかりとおさらいしておきましょう。
取材・文=吉田あき
<第5回に続く>
末永貴美子(すえながきみこ) 日本庭園を有する800坪の屋敷で、実業家の祖父と茶道家の祖母の影響を受けて育つ。日本の文化や文学に興味を持ち、着物についても深く学ぶ。一般企業に勤めたのち、心理学やパートナーシップ、美容などさまざまな分野を学び、多くの人と出会う中で内側からにじみ出る品格、美しさを一生かけて追求したいと考えるようになり、品格のある女性になるためのマナースクール「美礼塾」を立ち上げる。テーブルマナーを中心に発信するInstagramやLINEセミナーも人気。著書は『ふだんのふるまい帖 ふつうに生きているだけで、一目置かれるひとになる』(KADOKAWA)。 Instagram:@kimiko.suenaga