日本最高齢のゾウ「はな子」をめぐる物語
公開日:2016/5/30

5月26日、日本最高齢のゾウ「はな子」は69歳の生涯を静かに閉じました。はな子は昭和24年に、戦後初めて日本に来たメスのアジアゾウでです。昭和29年から吉祥寺の「井の頭自然文化園」で飼育され、多くの来園者に親しまれ、愛されてきました。

そんなはな子のことを書いた絵本や書籍を、追悼の意味を込めて紹介したいと思います。

『せかいでいちばん手がかかるゾウ』
著:井の頭自然文化園/イラスト:北村直子/教育評論社
じつははな子は“せかいでいちばん手がかるゾウ”といわれています。なぜかというと……。
はな子をいちばん近くで見てきた井の頭自然文化園の飼育スタッフとイラストレーターの北村直子さんが協力して作った絵本。

『おてんば娘はな子の七転び八起き』
著:綾野まさる/イラスト:日高康志/ハート出版
戦後の日本に元気を与えた「はな子」の日本で過ごした幾年もの月日。楽しいこと以上についらいこともたくさんあった。だからこそ愛されるはな子。
ドキュメンタリーでありつつ童話的なストーリー。

『父が愛したゾウのはな子』
著:山川宏治/現代書林
ひとりぼっちで海を越えたはな子は過度のストレスのため、事件を起こしてしまい……。
心を閉ざし、やせ細った彼女は、ベテラン飼育員の山川清蔵さんと出会います。清蔵さん、そしてその後を継いだ息子の宏治さんとの親子二代に渡る温かな交流が、はな子の心を少しずつ開いていきます。

『はな子、ありがとう』
著:志茂田景樹/KIBA BOOK
貧しかったあの時代、ぼくに元気と夢をあたえてくれたはな子ーー。著者の志茂田景樹さんとはな子の50年以上にわたる秘めた交流。

『動物園でもふもふお世話中!』
著:きっか/KADOKAWA
東京吉祥寺の動物園を舞台に新人飼育員の毎日を描くお仕事コミックエッセイ。好物のキャベツの産地を見分けるなど、はな子のグルメな姿が描かれています。はな子がいつも後ろを向いていた理由も明らかに。
他にもたくさんのはな子に関する書籍があります。はな子は物語の中でこれからもずっと私たちの記憶に残り、愛されていくはずです。