【ダ・ヴィンチ2016年12月号】「森見登美彦作家生活10周年記念」特集番外編
更新日:2016/11/8

「13のキーワード」インタビュー。
「妻」の項目は、間接的なラブレター!?
編集I
記念作の遅延に伴い、10周年を3年延長宣言するなんて! その律儀さにまた惚れ直してしまった人もいるのではないか。多数の読者の方から寄せられたアンケートの回答からも、親交のある方からの寄稿からも、森見登美彦氏への愛が声高に叫ばれていて、その愛されっぷりは見事なほど。
そんな登美彦氏の「今」が詰まった最新作『夜行』はなんとも不思議な作品だ。その底知れなさがとてつもなく怖い怪談でありながら、どこかに安堵するような懐かしさが漂う。物語の行間をそれぞれの「夜」で埋めていきながら読み進めていくのだが、その道行きの果てに登美彦氏はいったいどんな世界をみせてくれるのか。そんな期待も高まる旅なのだ。
今回、13年かかった10周年を振り返るにあたり、登美彦氏にキーワードを13個選出してもらい、それぞれについての思いの丈を訊いた。
「締切太郎」「妻」「映像化」「怪談」「竹林」「美女」「四畳半」「東京と京都」「夜」「お祭り」「電車」「文房具」「森見登美彦記念館」――いずれも森見作品に馴染み深いワードだが、予想以上に深掘りしてくれたので、どの項目のコメントにも新鮮な驚きがあった。森見ワールドを楽しんだことがある人ならば、その輪郭がよりはっきりすることだろう。
個人的な注目ワードは「妻」。「必然的に作家活動において不可欠な存在」と語るように、日常生活の中で登美彦氏に多大な影響を与えていることがわかる。
文学ムック『たべるのがおそい』第2号 に所収の「チーズかまぼこの妖精」と題した登美彦氏の短編小説は「妻のイメージをだいぶ流用していますね」とのこと。ファン必読である。
特集のメイン写真は上野駅にて。登美彦氏が新幹線で帰郷される前の時間をいただいて、撮影。『夜行』感、醸し出せていますか?
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