かわいい! 美味しい! センスがいい!! プロが選ぶ「愛用できる」北欧みやげ
公開日:2017/10/31

実際のところ、本音を言えば、おみやげは常に悩ましい代物である。ありがたく頂戴したとて「自分なら選ばないな~」と思うことがあるし(だからこそ新しい出会いになる場合もあるが)、ものとしては好きでも生活になじまなかったりすることもある。頂き物はもちろん、自分用に買ってさえ失敗が絶えない。
とはいえ旅の時間のお裾分けには不思議な魔力があって、おみやげの習慣はいっこうに廃れない。今度こそ人に喜ばれる、そして自分もうれしいおみやげに出会いたい! そんなあなたにおすすめしたいのが本書『北欧おみやげ手帖 12年間の「これ、買ってよかった」』(森百合子/主婦の友社)。

北欧ビンテージ雑貨の店なども手がける“北欧のプロ”が選んだ、実際買ってみて間違いのなかった品々を豊富なビジュアルとともに解説。これから北欧を旅する方、北欧みやげをリクエストする機会のある人はもちろん、おみやげに悩むすべての人にヒントをくれる、見て楽しい、読んで納得の一冊だ。
■定番からハズし技まで、おみやげ道は奥深い
まずは「北欧らしい!」と誰もが喜ぶキノコグッズ。プチプラ(ポストカード)から相応のお値段のもの(キャサリンホルムの鍋)まで、選択肢が幅広いのがうれしい。キノコは森を愛する北欧人にとってきってもきれないもの。北欧に生息する種類は1万以上とも。そんな雑学もおみやげの彩りだ。

プチプラといえば、スーパーで購入できる紙ナプキンも重宝。マリメッコ、イッタラ、ムーミンなどなど、おしゃれでかわいい北欧デザインが安価で種類豊富に楽しめる。著者が訪れたヘルシンキのカフェでは、広げたペーパーナプキン数枚の上にガラス板をのせていたとか。汚さずに長く使える真似したいアイデア。

また北欧の食べ物は消耗品だけれど消耗品ではない、つまりパッケージがとっておきたいくらいセンスがいい。リコリスやコーヒーの容れ物、ミネラルウォーターの瓶まで、気軽に贈れて残すこともできる優れもの。

もちろんデザインだけでなく味もいい。特に日本人に好まれそうなのはチョコレートだろうか。デンマークならサマーバード、ノルウェーならクイックルンシュ、スウェーデンならダイム。

そして忘れてはいけないのが、北欧キッチンウェア。ぜひ自分用に、厳選して購入したい。毎日、使うたびに旅の思い出がよみがえる。

いわゆる「おみやげ店」だけでなく、スーパー、蚤の市、郵便局(郵便局はオリジナルグッズも豊富なフィンランドが優秀)など、あらゆるところにセンスのいいものが潜んでいるのが北欧。本書でプロの目のつけどころを学んだら、あなたも自分らしい一品を探しに行こう。おみやげ上級者になればなるほど、旅はますます楽しくなりそうだ。
文=青柳寧子
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