『デビルマン』ヒロイン・牧村美樹ちゃんのおてんばすぎる魅力とは? 永井豪画業50周年を機に振り返る!
公開日:2018/1/27

漫画家・永井豪先生の数多くある代表作のひとつ『デビルマン』。人間の心と悪魔の力をあわせ持つ少年・不動明が、デビルマンとなり人類の敵である悪魔(デーモン)に立ち向かう不朽の名作。連載が終了してから45年ほど経った今も多くの人に愛されている作品ですよね。
2018年1月5日からは永井豪画業50周年を記念して、動画配信サービス「Netflix」で、新作アニメーション『DEVILMAN crybaby』の独占配信がスタート。これまで、映像化不可能といわれていた原作『デビルマン』のラストまで描かれていることもあり、話題を呼んでいます。
設定をはじめ、ストーリーやキャラクター、デザイン性の高さなど挙げればキリがないほどデビルマンの魅力は多くの人に語られてきました。そんなわけで、今さら『デビルマン』の魅力を語るのは難しい……。それでも永井先生の画業50周年を勝手にお祝いしたい! そこで本稿では、なんとかポイントを絞り『デビルマン』のヒロイン・牧村美樹ちゃんの魅力に迫りたいと思います。
牧村美樹(以下、美樹ちゃん)とは、主人公の不動明が居候をしている牧村家の長女。カチューシャが似合う美少女なのですが、外見はもとよりなんだか目が離せないチャーミングな女の子なのです。
■一人称が「セッシャ(拙者)」
キャラクターを構成するひとつの要素ともなる一人称。そのキャラクターが使っている一人称によって、その性格を推測することができますよね。そんな観点で初登場時の美樹ちゃんの一人称を見てみると、自分のことを「セッシャ(拙者)」と呼んでいます。もはや武士。女子らしく「あたし」と呼ぶこともありますが、セッシャの印象があまりにも強い!
そして、因縁をつけてくる不良に対して「あたしがなんで平手美樹っていわれてるかしってるか しらなけりゃ教えてやるぜ!」と、勢いよく平手をお見舞いするなど一人称が「セッシャ」なだけあって、とてもおてんばなのです。そのほか、美樹ちゃん珠玉のおてんばセリフはこちら。
「ガタガタうるせーぞ! チンピラ!」
「みっともなくてみられたざまじゃねーぜ 生き恥さらさず死んじまえ!」
「セッシャが男であんな恥かいちゃったら生きてないね はらカッサバイちゃうなー」
「てやんでー」
校内の札付きの不良相手にも、強気のスタイル……! 彼女がただ守られるだけのヒロインではないことが一目瞭然です。ちなみに『DEVILMAN crybaby』の牧村美樹ちゃんの一人称は「オレ」。さすがにセッシャではありませんが、ボーイッシュなところが共通点かもしれません。
■武器を所持する女学生
物騒なこの世の中、護身用に武器のひとつやふたつ持っている、そんな女性もいるかもしれません。頻繁に不良に絡まれる美樹ちゃんもカバンに武器を忍ばせています。
美樹ちゃんたちを脅すためにドス(短刀)を持ち出してきた不良に対して「テメーらの考えなんざコチトラ先刻おみとおしだい! それにそなえてセッシャも用意があらあ!」と啖呵をきって取り出したのは、日曜大工の“とびだしノコギリ”。武器のチョイスに衝撃を受けざるを得ません。
その直後、悪魔の力を手に入れた明が不良たちを一網打尽にします。残念ながら、美樹ちゃんのノコギリさばきが見られませんが、頼りがいのある明に飛びつき「ノコギリで不良と喧嘩するおてんばなんて思わないで 明くん」と、弁明する美樹ちゃん。このギャップがとってもかわいいよね……?
ここまでの説明で、美樹ちゃんがいかに肝が据わった美少女かおわかりいただけたかと存じます。明と巨大な蜘蛛のデーモンに支配された野球部員との戦闘時には「明く~~~ん たすけてー!」と叫びながら、カバンを武器に部員たちをバッタバッタとなぎ倒します。
美樹ちゃんのほかにも、主人公の不動明や、物語のカギを握る飛鳥了、気高きデーモン・妖鳥シレーヌなど、魅力あふれるキャラクターが多く登場する『デビルマン』。『DEVILMAN crybaby』(Netflix)を観て原作が気になっている人はもちろん、かつて『デビルマン』を読んで、そのラストに心臓が裂かれた経験がある人も、永井豪先生の画業50周年を祝って美樹ちゃんのかわいさに浸ってみては?
文=フクロウ太郎(清談社)