放っておいても稼げるWebサイトとは——Google AdSenseで稼ぐ方法
公開日:2018/12/4

新聞・雑誌・TVなどに代表されるメディアビジネスもネット時代はずいぶんと身近になり、個人でも広告収入を得られるメディア“Webサイト”を容易に持てるようになった。誰でも好きなこと・詳しいこと・得意なことなどを、オーソリティ(権威者)としてWebサイトにまとめることができれば、あとはGoogleが広告メディア化してくれるのだ。本書『Google AdSense マネタイズの教科書』(のんくら(早川 修)・a-ki・石田健介・染谷昌利/日本実業出版社)は、Googleが提供する広告サービスのひとつ“AdSense”を活用した「自動販売機のように放っておいても自動で稼いでくれる」Webサイトの作り方と運用のノウハウを説いている。
放っておいても稼ぐWebサイト作りへ、鍵になるのはテーマの選択だ。流行り廃れがなく、極論を言えば100年後も内容が変わらないテーマを選び、アクセスを積み重ねていくことを著者はすすめる。たとえば、新作の映画よりはDVD化された作品だし、ゲームなら囲碁・将棋といった具合だ。
さらには、季節や景気にも影響されにくい電気・水道・ガス・交通などライフラインテーマや、冠婚葬祭など普遍的な慣習テーマなども良いとのことだ。テーマの想定ターゲットも、子供向けは収益につながりにくく、IT関係者も広告クリックされにくいので対象外とすべきで、スマホよりはパソコンでゆっくりと調べものをする人を狙うべきとのこと。
当然市場が大きいテーマの方が対象読者も多いわけだが、一方でライバルの存在も増えることになる。しかし著者は差異化によって同じテーマも無限に広がるという。そのコツとは、ずらす・変える・加える・引く・抜く・シフトする、などさまざまな角度で思考を働かせ、テーマの見せ方を差別化することだという。
読者の獲得へGoogleの検索エンジンを味方につける“SEO対策”も気になるところだ。しかし著者はその対策に正解はないという。なによりも良質なコンテンツ、つまり信憑性が高く、専門的で、網羅的にテーマを語ることに注力すべきという。
コンテンツによって検索エンジンに好かれ、読者に好かれて、そしてリピートユーザーをも増やすことが基本戦略なのだ。そのためには、コンテンツの質に加えて、ページ分けとそのつながりからなるサイト構造の重要性も著者は説く。本書に掲載される基本型は大いに参考になる。検索してほしいと思うキーワードのサイト内での重複に注意を払い、テーマに最適な構造を自らデザインするのである。また、サイトに収めるコンテンツ量も適量があり、100ページほどが目安だという。つまり読者にも検索エンジンにも優しくわかりやすいサイトを心がけるべきなのだ。
稼ぐWebサイト作りとは、自分のアイデンティティを明確にする作業でもあると感じた。自分の趣味などを、本書のノウハウに沿って深く掘り下げ、世間にさらすサイト化のプロセスとは、自分をそのテーマの権威者として確立する工程であるからだ。収益を生むまでにコンテンツの質と構造を洗練することができれば、もうそれは自分の分身とも言えるだろう。
文=八田智明
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