失敗を恐れて職場で緊張…そんな時は「呼吸」で弱ったメンタルを修正できる!
更新日:2019/5/7

新年度を迎え、新しい環境で仕事を始める人、新人を迎える人が多いことだろう。「平成最後の新入社員」などと言われるが、仕事のスタンスもこの時代とともに変化しつつある。
平成になったばかりの頃は、「根性があり、たくさん働く人」が評価を得ていた印象だが、近年は徐々に「高効率で成果を上げる人材」が重宝される風潮が生まれつつある。こういった意識改革はまだまだ遅れているかもしれないが、来るべき「令和時代」の技術革新を見据えてみても、後者のジョブスタンスは今以上に求められるようになりそうだ。
高効率と成果を同時に得るためには、どういった意識づけが必要なのだろうか。本稿では、『結果を出す人は「修正力」がすごい!』(大西みつる/三笠書房)という書籍からそのヒントを得たい。
■できる人は「5割主義」で企画・提案する
企画書を作成する際のポイントとして、本書は「5割主義」を推奨している。ここで誤解してはいけない点は、「5割主義」は「手抜き」とはまったく異なるということだ。
企画書の目的は、「自分の提案を通す」こと。ただ、企画の内容が重要であればあるほど、それが一発で通ることはあり得ないものだ。慎重に決断をしなければならないため、差し戻し(RETURN)も頻繁に起こる。
そこで重要なのは、まずは議論をする上で必要な「たたき台」を提示することなのだという。このたたき台こそが、「目的の50%」に当たる地点だ。それを提示して議論を行うことで「相手(決裁者・お客様)が求めていること」が分かり、これを踏まえた上でブラッシュアップしていくという流れだ。
企画書のリターンは、「バツを喰らう」のではなく、相手の発言から「残りの5割」のブラッシュアップの勘所を理解するための「収穫」なのだ。
■弱ったメンタルを「呼吸」で修正する
仕事で感じるストレスは、大きく分けて2種類ある。目標達成の原動力となり、人間的な成長を促す「良いストレス」と、過度な緊張を引き起こし、活動の阻害や心身の不調の原因となる「悪いストレス」だ。
後者に陥ることを、著者は「ストレスにハイジャックされた状態」と呼ぶ。この状態では、「呼吸が浅くなる」「呼吸が速くなり、回数が増える」「心拍数が上がる」などの生理的な反応が起こってしまう。これは、交感神経が優位になりすぎていることの表れだ。
慣れない職場環境や忙しさで「ハイジャック」されてしまった場合、「呼吸」を修正して副交感神経を優位に持ってくることがもっとも効果的であるようだ。
「呼吸マネジメント」の方法として、本書は「丹田呼吸法」を紹介している。
1.鼻から息を3秒間深く吸う。
2.その息を3秒間止める。
3.10秒から15秒ほどかけて、鼻から息をゆっくり吐いていく。
4.これを15回から20回ほど行なう。
(本書172頁)
ゆっくりと息を吐きながら、丹田(おへその下10センチ辺りのところ)に意識を集中し、お腹をへこませるイメージで息を吐き切るようにするのがポイントだそうだ。
特に新入社員として春から働き始める人の中には、ミスをして叱られることを恐れるあまり、あるいは意欲の強さが裏目に出てしまい、完璧を求めすぎてしまう人も多いようだ。だが、最初から完璧なんてことは有り得ないのだ。過度な緊張でパフォーマンスを落とさないためにも、肩の力を抜いて、楽しく、そして真剣に取り組もう。
最初から自分の思い描く「完璧」に囚われないでほしい。不完全な自分を受け入れ、日々の経験を糧にしながら「修正」を積み重ねることこそが、「完璧」への最たる近道なのではないだろうか。
新社会人の皆さんの健闘を祈りながら。
文=K(稲)