頑張ることに疲れたら読みたい。甘えるからこそうまくいく「ゆるあま」習慣をまとめた1冊
公開日:2019/10/24

仕事、恋愛、ダイエット、貯金…。頑張らなくてはいけないことだらけなのに、努力しても、成果が得られないと思ったことはないだろうか。
そんなとき、
「もっとゆる~く、軽~くやったほうがうまくいきます」
とアドバイスするのがこの『ゆるあまマインドで豊かになる50の習慣』の著者、向井ゆきさん。
その発言の裏には本人の体験がある。
地方から単身上京して起業した向井さんは、力の限りギリギリがんばってなんと2億円の売り上げを出すまでに会社を育てたという。でも、働きすぎてダウンしてしまう。
そこでそれまでを振り返って方向転換を決意。
思い込みや常識を手放して、何事もゆるく考えて行動に移すことにした。
たとえば、ひとりで仕事を抱え込まずに周りのスタッフに頼った結果、周りの人の才能がどんどん開花した。
また、自身も頑張らない人への怒りが消え、周囲の人に頑張りを強要することがなくなった。
自身だけではなく、周りの人の気持ちも一緒に満たされ、豊かな生活につながっていったことを実感した。
本書はそういった「ゆるあま」な考え方や習慣を、恋愛、人間関係、お金、美容、夢の5つのカテゴリーに分けて書いている。
たとえば、恋愛では、ガツガツと恋人を追い求めたり、相手に嫌われることを恐れて自分を抑圧したりしないほうが魅力的に見えることをアドバイス。
人間関係も、ダメな自分を周囲に見せてしまうとラク、と言う。ダメだと思っているのは案外自分だけかもしれない。
でも、一番彼女の本領が発揮されていると思うのがお金に関すること。
「お金は一番素早く幸せと交換できる便利で平等なエネルギーです」
実に合理的。
貯め方や稼ぎ方よりもむしろ使い方が大事で、たとえば、メロンパンを買いに行ったパン屋さんであんぱんが半額だったとしても、当初の目的を貫いて定価でメロンパンを買う人の方がお金持ちになると断言。
頑張って我慢して節約をしても、自分が結局幸せになれなかったらそれは無駄な出費。「自分が何を得れば幸せになれるのか」がブレないことが大事だという。
読み応えがあり説得力も強いので、1行1行よく咀嚼してじっくり読むのがおすすめ。
著者の考え方がじわじわと伝わって読み終わるころには、ラクに幸せを呼び込める体質になっているだろう。
文=今津朋子