「あなたは今、頑張りすぎていませんか?」頑張りすぎているか、すぐにわかる方法とは?/『頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む――』①
公開日:2020/4/20
「現役看護師」の女性僧侶・玉置妙憂さんが贈る人生の教科書。人づき合い、仕事、家族の介護…「頑張る」はいいけれど、「頑張りすぎ」はダメ。無理せず、ほどよく、上手に休む「頑張りすぎない考え方&実践法」満載の心がラクになる生き方をまとめた1冊です。

「頑張りすぎ」は「何もしない」と同じこと
――過ぎたるは及ばざるが如し
とにかく頑張ればなんとかなる、頑張ることこそが大切。私たちは、なんとなくそう思っています。頑張ることが目的になってしまって、頑張るためだけに生きてしまっている……。
人づき合いや仕事、家族の介護などで「疲れたな、つらいな」と感じてしまうのは、何のために頑張っているのか――がわからなくなっているからかもしれません。
そのつらい状況が続くと、いつかはすべてを投げ出してしまうことになりかねません。頑張っても、頑張っても好転せず、ヘトヘ卜に疲れたところで人生がとまってしまいます。
世の中はいつもかならず動いています。水も空気もまわりの命も、私たちの体も考えも、動きつづけて流れています。
もちろん、時には流れがよどんで、とまってしまうこともあります。けれど、かならず自然に動きだして流れていくものです。「頑張りすぎ」は、“流れ”をむりやり止めてしまうこと。
これしかないんだ――そう思いこんで、自然な流れをせきとめてしまうということなのです。
ところで、「頑張りすぎ」の反対は、「まったく頑張らない」(=何もしない)ですね。でも、この「何もしない」も、自然な流れに逆らって“流れ”を止めてしまうということ。
つまり「頑張りすぎ」は「何もしない」と同じことなのです。
ことわざで言えば、「過ぎたるは及ばざるが如し」でしょうか。「ゆきすぎることは、不足しているのと同じようによくない」という意味です。
両極端はダメという考えを、仏教では「中道」と言います。
ラクな気持ちで、心おだやかに生きる――ということは、「中道にいる」「どちらの端でもない真ん中にいる」ということなのです。
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さて、あなたは今、頑張りすぎていませんか?
頑張りすぎているかどうか、すぐにわかる方法があります。
口の中を意識してください。奥歯を噛みしめていませんか?
頑張りすぎているとき、私たちは無意識のうちに奥歯を噛みしめています。文字どおり「歯を食いしばって」頑張っています。
耐えて耐えて踏ん張ろうとして、歯を食いしばります。流れを無理やり止めようとしているのです。
奥歯をゆるめて、口の中をぽかっと開けましょう。
家事をしているとき、仕事をしているとき、また寝ているときでも、「力が入りすぎているな」と思ったら、ぜひお試しください。