投資信託って何? わかりやすく3つのメリットを解説!/お金は寝かせて増やしなさい③

ビジネス

公開日:2020/9/9

投資信託のメリット② たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資できる

 あなたがある会社の株式を買ったとします。もし、その会社が倒産したら、株式は紙くずとなって資産は一気にゼロ円になってしまいます。そうならないように、資産をいくつかに分けてリスクを分散させるのが投資の基本です。

 投資信託は、何十から何百、何千もの銘柄に簡単に分散投資できます。また、株式だけでなく、債券、不動産と複数にまたがる資産に分散投資することもできます。運用会社が、投資家から集めた数十億円、数百億円規模の大きな資金を使って、私たち個人ではとうていできないような大規模な分散投資をしてくれます。

 また、個人では投資しにくい国や地域にも分散投資することができます。

 たとえば、米国や日本のような先進国だけでなく、ロシアやブラジルといった新興国の株式にだって、簡単に分散投資できます。個人投資家にとって、投資信託は手軽に分散投資を実現できる有力な道具だといえます。

「卵はひとつのカゴに盛るな」という有名な投資の格言があります。

 たくさんの卵を持ち運びたいときに、ひとつのカゴに盛ると、もしそのカゴを落とした場合には、すべての卵が割れて全滅してしまうかもしれない。でも、複数のカゴに分けて卵を盛って運べば、そのうちのひとつのカゴを落としてしまってカゴの卵がすべて割れてダメになったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむ……という話です。

 特定の銘柄だけに投資をするのではなく、複数の銘柄に投資した方がよいという教えです。

 先ほど出てきた、株式、債券、不動産といった資産の種類のことを「資産クラス」といいます。インデックス投資においては、資産クラスのなかでも市場規模が大きな株式と債券を中心に分散投資するのが基本です。

投資信託のメリット③ 運用する金融機関が破たんしても資金が守られる

 投資信託は、販売会社、運用会社、信託銀行という3つの金融機関が運用に携わりますが、そのいずれが破たんしたとしても、投資額にかかわらず投資した資産は制度的に守られています。

 販売会社は、私たち投資家が投資信託の取引をするときの窓口となって、私たち投資家とお金をやりとりしますが、そのお金は信託銀行が信託財産として管理をします。

 仮に販売会社が破たんしたとしても、私たちのお金には影響はありません。

 運用会社は投資家から集められたお金の運用を行いますが、運用の指示をするだけで、信託財産の管理は行っていません。お金は信託銀行が信託財産として管理をします。仮に運用会社が破たんしても、私たちのお金には直接的な影響はありません。

 信託銀行は私たちから預かった信託財産を管理しますが、信託財産は信託銀行自体の財産とは分別管理することが法律で義務づけられています。仮に信託銀行が破たんしても、信託財産に影響はありません。

 要するに、3つの金融機関のどこが破たんしても大丈夫というわけです。

 ところで、世の中には投資信託ではない「ファンド」がたくさんあります。

 たとえば、「匿名組合」という仕組みを使った和牛ファンドであったり、ワインファンドであったり。あやしいファンドはあやしい末路をたどるものですが、投資対象の値下がりではないのに、投資家のお金が1円も返ってこない(返ってきてもほんの一部だけ)という案件も多くあります。

 一方、投資信託は、投資家のお金が守られる仕組みが何重にもあります。投資信託ではないファンドの儲け話が来ても相手にしないことです。あやふやな感じの「ファンド」やら「投資ファンド」の話で、投資信託かどうか見分けがつかなければ「それは投資信託ですか?」とはっきり聞いてみるとよいと思います。はっきり答えない場合はその話は聞かないことです。

【次回に続く】