相手より長く話すのはNG! さんま流“話を広げるワザ”を活用せよ/話のおもしろい人の法則④
公開日:2020/10/8
おもしろい人とつまらない人は、ここが違う! さまざまなヒット商品や人気番組の仕掛人が教える、話しベタでも人の心を“ワシづかみ”にできる話し方を『「話のおもしろい人」の法則』(野呂エイシロウ/アスコム)よりご紹介します。

話のおもしろい人は、相手の3分の1だけ話す
つまらない人は、相手の3倍話す
◇ ◇ ◇
明石家さんまさんの会話からぜひ学んでほしいことがあります。それは、「しゃべりすぎないこと」です。
テレビでよーく見ると、さんまさん自身が話をしている時間は短いことに気づくはずです。意外ですよね。生まれた瞬間からしゃべっていたとか、新幹線で隣になるとみんながウンザリするほどしゃべり続ける、と噂されるさんまさんですから。
しかし番組を録画してカウントしてみると、概(おおむ)ねさんまさんが1しゃべると、相手は2.5くらいしゃべっていることがわかります。
会話が盛り上がり、さんまさんも乗ってきて3くらい話すようになっても、相手にはさらにそれ以上にしゃべらせます。振幅は大きくなっていくけれど、さんまさんのしゃべりが相対的に少ないというバランスは保たれたままです。
そして、ひとつの話題を1〜3分にしているケースが多く見られます。3分以内に、さんまさんはパッと次の話題に切り替えてしまいます。ひとつの話題は3分ほどしか持たないと感じているのでしょう。3分以内に相手のおもしろい中味をすべて引き出してしまう。これこそがさんまさんがおもしろい本当の理由です。
自分の意見ではなく、一般論でとっかかりをつくれ
おもしろい人なのに、あまりしゃべっていない。この一見矛盾しているようなさんまさんの法則は、大切なことを教えてくれます。
それは、話をおもしろくするためには、自分の意見を言う必要はあまりないということ。
さんまさんは、自分自身がおもしろい話をする以上に、相手からおもしろい話を引き出すことでおもしろいと思われています。自分の話はさほどせず、ただ相手の意見を引き出して、それに賛同することで場を盛り上げているわけです。
芸人ならその場をおもしろくしなければいけない。
営業マンならお客様との会話をもたせなければいけない。
モテたければ狙っている相手にユニークな人だと思われないといけない。
コンサルタントなら使えるアイデアを提供しなければいけない。
でも、もし相手の側にとてもおもしろいエピソードやいいアイデアがあるとしたら、どうでしょうか?
大切なのは、自分の主張を通すことではありません。あなたが携(たずさ)わった結果、その場が明るくなったり、プロジェクトが成功したりすればいいのです。その場でいいアイデアが生まれればそれでOK。
その点、さんまさんは自分の意見を述べない代わりに、一般論を提示することでたくみに摩擦を避けています。「よく、○○なことってあるやんか」というパターンです。自分の意見や経験を押しつけるのではなく、「あるある」のような一般論を並べることで、相手が次に「何を話せばいいのか」をたくみに誘導しているのです。
自分の意見が求められる場面というのは、極めて限定されているものです。普段はできる限り相手の意見を引き出し、それに反応することを優先してください。
大切なのは、その場で結果が生まれること。そのためにおもしろくて楽しい空間を、会話という武器で作る必要があるのです。
【ワシづかみポイント】
相手より長く話してはいけない
一般論でとっかかりをつくって話題を広げよ!
【次回に続く】