チャンスを掴める視線とチャンスを逃してしまう“視線”の差とは? あなたの視線がハラスメントになり得る!?/なぜか好かれる人がやっている100の習慣③

ビジネス

公開日:2020/11/1

家族、恋人、友人、同僚、上司…人間関係に悩んでいませんか? 好かれる人とそうでない人の違いは“ちょっとした振る舞いや仕草”です。心理術とキャリアコンサルタントの経験から、人間関係のコツやコミュニケーションを良好に行う方法を厳選してお伝えします!

なぜか好かれる人がやっている100の習慣
『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』(藤本梨恵子/明日香出版社)

視線でチャンスを摑む

 相手の視線を摑むことは、相手の心を摑むことです。人の心を摑む人が、チャンスを摑みます。

 会議でも、視線が合っている人に話が振られやすく、真剣に話を聞いている姿勢が伝わるので、周囲から好感が持たれます。

 これは就活生の採用試験のグループディスカッションでも同様です。5〜6人の初対面のグループでの話し合いも、自分から発言できなくても、アイコンタクト、相づち、頷きがある学生には、話し手の学生の視線が集まり、意見を求められやすくなります。すると人事担当者の目にとまり、合格しやすくなるのです。

 視線は種まきと同じです。

 好かれる人は多くの人に視線を投げかけ、信頼関係を芽吹かせ、チャンスを摑みます。

 嫌われる人は視線を落として、相手を見ていないため種をまいていないのです。

 心理カウンセリングを行う際も、短時間で相手に心を開いてもらうためには、「キャリブレーション」(相手の表情や姿勢など言葉以外のサインを観察すること)が基本です。視線を合わせることで、相手に安心感を与え、相手の気持ちの変化を表情等から読むことができます。キチンと相手を見ていると「一番相手が言いたいこと=主訴」を摑めるのです。

 そして、人間は自分のことを理解して欲しい生き物です。カウンセリングの神様と呼ばれるカール・ロジャーズは、信頼関係を築く上で「裁こうとするな、理解しようとしろ」と言っています。理解するためのスタートは相手を見ることです。

 人と会っていても携帯ばかり見ていませんか?

 人よりも携帯に注意をとられているようでは、相手の心を摑むことはできません。

 人から好かれ、信頼される人は相手にしっかりと視線を向けています。視線を向けるから、相手の話の主訴や核心部分が聞けるようになり、理解できるのです。

 自分のことをわかってくれる人に、人は心を開きます。

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

アイコンタクトで「聞いています」のサインを送る!

視線をコントロールする

 「男性は嘘をつくと目が泳ぎ、女性は相手の目を見ながら嘘をつく」と言われるほど、男性の視線は女性より正直です。嘘をつくと心の中の不安が目に出てしまうのです。

 私は婚活セミナーの講師をする際、参加者の男女が話している様子を観察していますが、ある男性は無意識に好みのタイプの女性を前にすると、頭の先からつま先まで全身を舐め回すように見ていました。

 もちろん、本人に自覚はありません。視線が正直なだけです。

 でも女性にとっては、「気持ち悪い」の一言に尽きます。

 実際に婚活パーティーが終わると複数の参加女性から「あの人、ジロジロ見てきて気持ち悪い……」と私のもとへ苦情が入りました。これでは恋愛に発展するどころか、第一印象も最悪という評価で終わります。

 このように嫌われる人は、自分の視線を野放しにしています。視線に鈍感なのです。

 反対に好かれる人は、意識して相手の首から下は見ないなど視線をコントロールしています。

 ビジネスシーンの視線はさらに注意が必要です。

 企業でのハラスメント防止対策が進むアメリカでは、大手動画配信会社ネットフリックスが「職場で5秒以上見つめるのは禁止」というルールを設けて話題になりました。

 男性は、女性がセクシーな服装や体のラインがわかる服装をしていると、目で追ってしまいがちです。職場でそのような視線を使ってしまうと、女性社員から「社内の人に性的な目で見られて不快」と言われかねません。

 日本人は空気を敏感に読みます。

 「目は口ほどにものを言う」という言葉があるように、人の視線にも敏感です。だからこそ相手の首から下は見ないことで、相手へ敬意を払い、不快にさせないことが重要です。

 あなたの視線がハラスメントにならないためにも。

なぜか好かれる人がやっている100の習慣

相手の首から下は見ない!

<第4回に続く>