朝起きてパジャマのままじゃれ合う娘たちに。
「ママが洗濯物干してくる間に着替えなさいよ！」
と言い残して洗濯物を干しに行って帰ってきたのですが。

リビングに続く扉の向こうから聞こえてくるのは、洗濯物を干しに行く前に母が聞いたのと変わらぬテンションの娘たちの声。

（これは…絶対まだ着替えてないやつ…）

これは怒らなあかんとこですよね。
ここは毅然とした態度で。
きちんと叱らなければならないところです。

母の足音を聞いて慌てて着替えるのでは意味がありませんからね。
まったく手つかずで言い訳できひん状態のとこにビッシー言うたろうと思いまして。

忍者のような動きで扉の前まで無音で移動し。
ノブに手をかけ深呼吸。
セリフを脳内でシミュレーション。
眉をきゅっと吊り上げて表情を作り。

扉を開くと同時に大きな声で…
「はよ着替えな…」

【ちゃんと着替えてる娘ふたり】

「…ってちゃんと着替えてるやーん。えらいやん？」

あ。すみません。全然ごまかせてませんよね。
いや絶対着替えてないと思って。
いつものパターンやと着替えてないと思って。
あ、はい。決めつけは良くないですよね。
濡れ衣着せてすみませんでした。

白目みさえ